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Llamaとは?最新モデルの性能や日本語対応の状況、活用例などを解説!
Llamaとは?
Llamaとは、Meta社が開発した大規模言語モデル(LLM)です。読み方は「ラマ」であり、2023年2月に発表されました。
2024年7月現在、LlamaにはLLaMA・Llama2・Llama3の3つのバージョンがあります。中でもLlama3は、性能の高さやオープンソースであることから、大きな注目を集めています。
Llamaのバージョン
現在、Llamaの生成AIモデルはLlama3まで発表されています。各バージョンの発表時期や特徴を見ていきましょう。
LLaMA
LLaMAは2023年2月に発表された最初のバージョンです。LLaMAは商用利用はできませんでしたが、小型で高性能、かつMeta社が開発したAIモデルとして注目されていました。
LLaMAは、少ないパラメータ数で大量のデータを学習させているのが特徴です。また、Transformerのアーキテクチャを採用しています。ちなみに、これらの特徴はLlama2とLlama3にも共通しています。
Llama2
Llama2は、2023年7月に発表された、より高性能なAIモデルです。パラメータ数は70億、130億、700億の3タイプがあり、人間のように自然な会話ができるようにファインチューニングされたモデルもあります。
また、Llama2の最大の特徴は、オープンソースかつ無料で利用できるようになったことです。Llama2のコードはGithubで公開されており、研究や商用目的で利用できます。
Llama3
Llama3は、2024年4月に発表された最新のAIモデルです。80億のパラメータ数をもつ「8B」と700億のパラメータ数をもつ「70B」の2つのモデルがあり、ほかのAIモデルと比べても高い性能を誇ります。
また、Llama2と比べて、高い推論能力をもつため、アドバイスを提供したり、ブレインストーミングをしたりすることがより得意になりました。
Llamaの3つの特徴・性能
Llamaの特徴や性能について、より詳しく見ていきましょう。
1.自然言語処理の精度が高い
Llamaは、自然言語処理やテキスト生成の精度が高いのが特徴です。対話や翻訳、コード生成などさまざまなタスクに対応できます。
特に最新のAIモデルであるLlama3は、15兆以上のトークンで訓練されており、テキスト生成の精度が大幅に向上しています。
以下は、Llama3とベンチマークとなるいくつかの生成モデルを比較した結果です。複数の項目において、Gemini Pro 1.5やClaud 3 Sonnetよりも高いスコアをマークしており、精度の高さが伺えます。
引用元:https://ai.meta.com/blog/meta-llama-3/
2.オープンソースで商用利用できる
Llamaの特徴として、オープンソースで商用利用できることも挙げられます。
Llama2以降、自由にソースコードにアクセスできるようになりました。そのため、企業や開発者はソースコードをカスタマイズしたり、独自のデータを学習させたりして、自分たちのニーズに応じて利用することが可能です。
これにより、アプリやシステムの開発といった商用目的での利用も促進されています。
3.Meta社が開発したLLMである
Llamaを開発したMeta社は、Llamaを安全に利用するためのLlama Guard 2、Code Shield、CyberSec Eval 2といったツールの提供やサポートをしています。これらのツールを利用することで、セキュリティやコンプライアンスの観点から安全に生成AIを利用することが可能です。
また、Llama3はAWSやGoogle Cloud、IBM WatsonX、Microsoft Azureなどの主要なクラウドプロバイダーやAPIプロバイダーで利用できる予定であり、アクセシビリティが高いことも特徴です。
Llamaは日本語に対応している?
Llamaは英語に特化したAIモデルです。そのため、日本語は理解できるものの、回答の精度が低い可能性があります。
しかし、Meta社が多言語対応を進めたり、日本企業によってLlama3に日本語を学習させたモデルが公開されたりと、日本語でも問題なく利用できる環境が整えられつつあります。
参考:rinna、Llama 3の日本語継続事前学習モデル「Llama 3 Youko 8B」を公開
Llamaを利用する方法
Llamaを利用する方法は、主に以下の3つがあります。
- 「Groq」を介して利用する
- Meta社へリクエストを送る
- 「Meta AI」を介して利用する
「Groq」は世界最速の生成AIといわれており、誰でも無料で利用できます。ログインするとAIモデルを選択できるので、そこでLlama3を選択すればOKです。
開発目的で利用する場合は、Meta社にリクエストを送信して許可を得る必要があります。
「Meta AI」とは、Meta社が提供する会話型のAIサービスです。アメリカと一部の国でしか使うことができず、2024年7月現在、日本では利用できません。
ちなみに、Meta AIはInstagram、Facebook、Messenger、WhatsAppに導入される予定であり、日本でもサービスが開始されるようになれば、Llamaを手軽に利用できるようになります。
Llamaの活用例
Llamaの活用方法として、以下の3つを紹介していきます。
SNSや記事のコンテンツ作成
Llamaは、SNSや記事のコンテンツの作成に利用できます。
ペルソナを設定し、作成するコンテンツの目的や趣旨を入力することで、自動的にコンテンツを生成してくれます。これにより、コンテンツ作成にかける時間を短縮し、多くのコンテンツを作成できるでしょう。
また、コメントやメッセージに対しても適切な返信を作成してくれます。これによって、ユーザとの信頼関係が構築され、顧客満足度の向上やブランディングにもつながります。
カスタマーサポート
Llamaは、カスタマーサポートにおいても有用です。
チャットボットや自動応答システムに組み込むことで、顧客からの問い合わせに対して迅速かつ正確に回答することができます。
また、高い推論能力を兼ね備えていることから、複雑な問い合わせにも対応可能です。これにより、オペレータの業務負担の軽減も実現されるでしょう。
プログラミング
プログラミングにもLlamaを活用可能です。
例えば、Llamaを利用してコードのテンプレートを自動生成したり、特定のタスクに対するコードスニペットを提案したりすることで、開発プロセスが効率化されます。
また、Llamaを使ってコードレビューのサポートを行うことで、バグの早期発見や修正が可能となり、全体的な品質の向上にも寄与します。
なお、Llamaなどの生成AIを活用して効率性を高めたいと考えているプログラマーにおすすめなのが、「プログラマーのためのコード生成AI講座」です。本講座では、代表的なコード生成AIの使い方を学習することで、効率よくコーディングを進められるようになります。
Llamaの将来性
将来的に、LlamaはGPTに匹敵するLLMになるといわれています。近い将来、多言語およびマルチモーダル化し、そのほかの機能も継続的に向上される予定です。
また、これからさまざまなソフトウェア・ハードフェアに実装されていきます。具体的には、以下が挙げられます。
さらに、Meta社が提供するFacebookやInstagram、WhatsApp、Messengerで使えるようになれば、Llamaの認知度や普及率は大幅に広がるでしょう。
まとめ
この記事では、Llamaの特徴・性能や日本語対応の状況、活用例などを紹介しました。
Llamaは高い自然言語処理能力をもち、オープンソースで利用できることが特徴です。また、今後Meta社が提供するサービスやほかの企業との連携を強めていけば、GPTの認知度や利用者数を上回るLLMになるでしょう。
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