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AI人材とは|需要や職種、AI人材になるために必要なスキル
近年注目を集めているAI人材。具体的にどのような人材かご存じでしょうか?当記事では、AI人材について、役割や具体的な職種、AI人材になるために必要なスキルについて紹介しています。これからAI人材を目指す方は、ぜひご一読ください。
1.AI人材とは?注目を集めている背景
近年AI人材という言葉を多く聞くようになりました。これはAIの技術が進展し、産業やビジネスに広く応用できるようになった背景があります。ここでは、AI人材とAI人材が注目を集めている背景について詳しく紹介していきます。
1-1.AI人材とは
AI人材とは、一般的に機械学習、ディープラーニング(深層学習)、データサイエンスなどに関する深い知識を持ち、それらの技術を用いてAIシステムを構築・運用したり、技術を改善したりする人材のことを指します。
近年機械学習やディープラーニングの研究が進んでおり、様々な分野でAI技術が注目されるとともに企業でのデータ活用やDX推進が期待されています。そのような社会背景もあり、AI人材は今後より価値を高めていくことが見込まれています。
1-2.AI技術の進展
AI(人工知能)という概念自体は、1956年のダートマス会議でジョン・マッカーシーによって提唱されて以降、研究が続けられてきました。しかしながら1960年代の第1次AIブーム、1980年代の第2次AIブームを経た後、長く冬の時代を経験し、産業やビジネスへの応用はなかなか難しい状況にありました。
これにブレイクスルーを起こしたのが2000年代初頭に登場したディープラーニング(深層学習)の技術です。そしてディープラーニングが一気に脚光を浴びたのが2012年の「ILSVRC」(画像認識の精度の競技会)です。トロント大学のジェフリー・ヒントンが率いるチームがディープラーニングを用いて圧倒的な差で優勝。その後の進化も目覚ましく、時代は第3次AIブームへ突入していきます。
1-3.第3次AIブーム
そして現在私たちは、第3次AIブームの時代に生きています。インターネットやスマートフォンの普及等によりビッグデータの蓄積が進み、ディープラーニングは様々な場面で適用されています。
AIは画像認識の他にも音声認識や自然言語処理、ディープラーニングが得意であり、劇的に精度が向上したチャットボットや機械翻訳ツールは、私たちの生活に役立てられています。また、企業では毎年様々なAIサービスを生み出したり、既存サービスや既存業務へのAI導入を進めたりしています。
2.DX推進に欠かせないAI人材
DX(デジタルトランスフォーメーション)とAIは切っても切れない関係にあります。そこで、ここではDXやAI人材について解説していきます。
2-1.DXとは
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略であり、デジタルの活用によって企業のビジネスモデルを変革することです。良く混同される用語としてデジタル化があります。デジタル化はあくまでこれまで非デジタルであったものをデジタルに移行することです。対して、DXはデジタルに移行した結果得られたデータ(情報)から新しい価値を見い出し、企業のビジネスの改革へ繋げる役割を果たします。
2-2.DXとAI人材の関係
DXを推進するためにはデータから新しい価値を見い出すことが重要だとお伝えしました。このデータを価値に変える技術こそがAIです。データは持っているだけでは活用できません。そして、以下のような場面でデータを具体的な場面に活用できる情報に転換し、その先にある変革に繋げていく中核的な役割を果たすのがAI人材です。
- 顧客の購買行動
- 製造ラインの異常検知
- カスタマーセンターに対するお問い合わせへの最適な回答
実際、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が毎年発行していた『AI白書』は2021年から『DX白書』へと名称変更しています。
>DX推進にAIが必要な理由とは?AIを活用する際の成功事例や重要ポイントも合わせて解説
2-3.不足するAI人材
経済産業省が平成31年4月に発表した「IT人材需給に関する調査」によると、AI人材は2030年にはおよそ12.4万人(平均シナリオの場合)不足するとされています。調査にあたり実施されたアンケートでは、企業が積極的にAI人材を育成する意向を見せたものの、24.3万人の需要に対し12万人の供給に留まるとの試算です。
また同調査では、IT人材全体についても2030年におよそ45万人(中位シナリオの場合)の不足が推計されています。
2-4.AI人材の年収
「第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会(経済産業省、令和3年2月)」の資料によると、海外のAI・データサイエンス人材の報酬水準に合わせ、国内でも高額な報酬を提示する例があるとされ、NECやDeNAが新卒でも1,000万円以上を提示する例として取り上げられています。
その他、富士通・NTTドコモ・NTTデータ・NTTコミュニケーションズなどがAI・データサイエンス人材に3,000~4,000万円ほどの年俸を提示していることが記載されています。
3.AI人材の職種一覧
AI人材と聞くと理系職種のように想像してしまうかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。前出の「IT人材需給に関する調査」においても、AI人材については事業部門に所属する人材もいるとされています。AI人材の職種について『AI白書2020(※独立行政法人情報処理推進機構)』の類型に基づいて解説します。
※P310 図3-4-27
3-1.AIに理解がある経営・マネジメント層
経営・マネジメント層がAIについて理解があることはとても重要です。AI導入に成功したり、DXを推進している企業ではトップの旗振りが大きな力になっている事例が多いです。
また、スキルアップAIが実施した調査においても、DX成功に必要な要素として「DX推進のビジョン」と「トップのリーダーシップ」を求める声が上位を占めました。
3-2.AIを活用した製品・サービスを企画できるAI事業企画
AIプランナーと呼ばれる職種で、AIに関する知見とビジネスに関する知見を掛け合わせ、AI製品やサービスを企画出来る人材です。多くの場合はベンダー企業に所属し、世の中にない新しいAI製品や多くの企業の課題を解決するAIサービスを企画します。
3-3.先端的なAIアルゴリズムを開発したり、学術論文を書けるAI研究者
AIの処理速度や精度を高めるための研究をしたり、研究に基づいて社会実装に活かせるアルゴリズムの開発をしたりします。大学や研究所だけでなく、企業に所属している人も多くいます。
3-4.AIを活用したソフトウェアやシステムを実装できるAI開発者
AIエンジニアと呼ばれる職種で、製品やサービスに使われるAIを実際に開発するポジションです。AIについての知見はもちろんですが、製品やサービスを使うユーザーの行動や業界のビジネス習慣を踏まえ、ソフトウェアやシステムにAIを落とし込んでいきます。
3-5.AIツールでデータ分析を行い、自社の事業に活かせる従業員
AIユーザーとしてAIの基礎知識を有し、自社のビジネスにAIツールを活用できる人材です。データの分析手法、AIのモデルごとの特性などを理解し、場面に応じて適切に使い分けたり、AIツールの出力結果を評価したりすることが必要です。データサイエンスの基礎知識を有していることが望ましいです。
3-6.現場の知見と基礎的AI知識を持ち、自社へのAI導入を推進できる従業員
AIプランナーと呼ばれる職種で、こちらはユーザー側企業に所属します。自社の課題や可能性を分析し、どこにどのようなAIを導入すれば企業が成長するかを見極める力とAI導入プロジェクトをマネジメントする力が求められます。
4.AI人材になるために必要なスキル・知識
AI人材になるためにはいくつかの分野にまたがったスキルや専門知識が必要です。スキルアップAIではAI人材になるための道筋を講座マップとしてまとめていますが、以下では一般的に求められるスキルを抜粋して解説していきます。
4-1.デジタルリテラシー
デジタルリテラシー協議会では、全てのビジネスパーソンが持つべきデジタル時代の共通リテラシーとして「Di-Lite」を定義しています。「Di-Lite」は、以下の領域が含まれます。
- IT・ソフトウェア領域
- 数理・データサイエンス領域
- 人工知能(AI)・ディープラーニング領域
4-2.プログラミング
AIでは主にPythonが使われていますので、まずはPython習得からスタートすることをおすすめします。スキルアップAIでは「機械学習のためのPython入門講座」を現在期間限定で無料提供しています。約8時間の講座を無料で視聴できますので、この機会にぜひ学習してみてください。
4-3.データマネジメント、データサイエンス、データエンジニアリング
AIはデジタル化で得られたビッグデータを効率的に処理し、新しい知見を見つけるために使われます。データを扱っていく人材としてデータマネジメント・データサイエンス・データエンジニアリングについて学びましょう。
以下の記事では、データ分析スキルを活用できる仕事やポジション、そしてデータ分析要員の育成方法について解説していますので参考にしてみてください。
4-4.機械学習・ディープラーニング
AIの意味する範囲は広いのですが、現在AIと言われているものは機械学習、その中でも特にディープラーニングを活用したものです。Pythonやデータマネジメントなどを学んだのち、機械学習とディープラーニングを学びましょう。
4-5.ビジネスごとのドメイン知識
ビジネスの成果に結びつくAI開発やAI導入を行って初めて価値があります。そのためには、自分が所属している業界、サービスを提供する業界について良く知っていなければなりません。
AI人材を目指す方に向けて、下記の記事で初心者から専門家まで繋がるAI学習のロードマップや、目的に応じた学習内容について詳しく解説しています。ぜひ合わせて読んでみてください。
>AIの学習方法|おすすめの勉強手順やAI人材別の学び方をAI教育のプロが伝授
5.活躍するAI人材の採用方法と育成方法
ここまでAI人材が求められている背景や必要な知識などについて見てきました。このような人材をどう採用し、また組織内で育成すれば良いでしょうか。「AI人材の育成方法、社内育成の鍵は新卒社員へのAI研修にあり」で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
6.まとめ
当記事では、AI人材の概要や需要、具体的な職種や求められるスキルについて紹介しました。AI人材は、今後ますます需要が拡大していきます。これからAI人材を目指す方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
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