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【徹底比較】AWS・GCP・Azureの違い|3大クラウドサービスの特徴や料金、シェア率、各AI系サービスを紹介
近年、クラウドサービスの導入を検討、活用している企業が増加しています。
その中でも3大クラウドサービスであるAmazon Web Service(AWS)、Google Cloud(GCP)、Microsoft Azure(Azure)について、各サービスの概要、シェア率、特徴、タスク別のAI系サービスについて比較し、わかりやすく紹介します。
またそれぞれのサービスの特徴を踏まえて、向いている企業やユーザについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
クラウドサービスとは
クラウドサービスとは、サーバ、ネットワーク、ストレージなどのITリソースを、インターネット経由で利用できるサービス形態です。
クラウドサービスプロバイダ(クラウド事業者)は、保有するITリソースの一部を切り出し、利用者にサービスとして提供しています。
クラウドサービスを利用することで、
- サーバ管理の問題への対応
- ユーザ増加にともなうアクセス負荷への対応
- サーバメンテナンスなどにともなう機会損失やトラブルへの対応
- 工数削減
また、ユーザ自身のマシンのスペックに関わらず、簡単に処理や計算を実行することも可能です。
3大クラウドサービスの比較表
3大クラウドサービスであるAWS・GCP・Azureの概要やそれぞれのサービスを比較して紹介します。
比較項目 | AWS | GCP | Azure |
---|---|---|---|
運営会社 | Amazon | Microsoft | |
料金プラン | 従量課金制 | 従量課金制 | 従量課金制 |
ネットワーク |
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ストレージ |
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コンピューティング |
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データベース |
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セキュリティ、管理 |
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IoT |
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サーバレス |
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コンテナ |
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主な特徴 |
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3大クラウドサービスのシェア率
2022年Q4では、クラウドサービス全体におけるAWSのシェア率は32%で、最大のシェア率を誇ります。次いでAzureのシェア率は23%、GCPのシェア率は10%です。
出典:Canalys「Worldwide cloud service spend to grow by 23% in 2023」
AWS、Azure、GCPの3つだけで世界のクラウドサービスの65%を占めています。シェア率63%であったQ3からの3社の成長率は26%であり、これらのサービスの活用が急速に広まっていることがわかります。
AWSの特徴
AWSは、先述の通り世界でトップシェアを誇るクラウドサービスです。特徴は拡張性、多様なサービスの提供、高い可用性と信頼性などが挙げられます。
AWSは、ユーザの増加によるサーバの拡大などに対して、ワンクリックでリソースを拡大できるため、多くの労力をかける必要がなくなり、その分の人的リソースを確保できます。
また、顧客側のリクエストに応える形で多くのサービスを提供しているため、企業やユーザのさまざまな用途に対応することができます。
AWSのデータセンターは世界中に分散されており、日本語によるサポートも24時間、365日受けることができます。
おすすめのサービスとしては以下が挙げられます。
Amazon EC2
AWSの最も基本的なサービスの一つであり、サーバの構築と管理を簡単に行うことができます。
Amazon S3
高い耐久性と可用性をもったオブジェクトストレージサービスであり、多くの企業に利用されています。
AWS Lambda
イベント駆動型のコンピューティングサービスであり、簡単にスケールアウトできます。
AWSが向いている企業・ユーザ
AWSは大企業、中小企業に関わらず多くの企業で利用されています。そのため、特に急速に成長していてクラウドサービスの導入を考えている企業や、リソースを自動的に拡大する必要性がある企業に向いています。
また、AWSは世界で最も利用されているクラウドサービスであり、いつでもサポートを受けられるため、初めてクラウドサービスを利用する方にもおすすめです。
AWSとは|仕組みやできること、利用するメリット、学習方法をわかりやすく解説
GCPの特徴
GCPはビッグデータの処理やAI(人工知能)、機械学習の開発に優れたサービスに強みをもっています。
また、Googleが運営しているため、Google社内で利用されているインフラ環境・技術を利用できる点も大きな特徴です。
おすすめのサービスとしては以下が挙げられます。
Google Compute Engine
Googleの仮想マシンサービスであり、AWS EC2に相当します。
Google Cloud Storage
シンプルなオブジェクトストレージサービスであり、高い耐久性と可用性を備えています。
Google Cloud SQL
簡単にスケールアウトできるリレーショナルデータベースサービスであり、MySQLとPostgreSQLのサポートがあります。
GCPが向いている企業・ユーザ
データの処理やAIに関する優れたサービスを提供しているため、データ分析やAI開発を行う企業、大量のデータを扱う大企業などに向いています。
また、Google WorkspaceなどGoogleが提供するサービスとの連携が容易なため、Google製品を頻繁に活用しているユーザにもおすすめです。
Azureの特徴
AzureはMicrosoftが提供しているクラウドサービスで、Microsoft製品との相性がよく、さまざまなアプリケーションやサービスとの連携や移行が可能です。
例えば、Office365やSharePointと組み合わせて利用したり、SQL ServerやOracleなどのデータベースサービスも利用できるため、自社の状況に合わせた使い方ができます。
また、Azureはオンプレミス環境とクラウド環境の両方に対応しており、企業の独自の環境に合わせた運用が可能なことや、情報セキュリティに関する国際的な規格やガイドラインに準拠しており、高いセキュリティ機能を備えていることも特徴です。
おすすめのサービスとしては以下が挙げられます。
Azure Virtual Machines
AWSのEC2に相当する、WindowsおよびLinuxの仮想マシンを提供するサービスです。
Azure App Service
Webアプリケーションやモバイルアプリケーションの開発に適したサービスで、クラウド上にアプリケーションを構築・実行するためのプラットフォームを提供しています。
Azure Cosmos DB
マルチモデルのNoSQLデータベースであり、多数のAPIをサポートしているため、柔軟なデータ処理が可能です。
Azureが向いている企業・ユーザ
Azureは、セキュリティの高さから大企業で使用される傾向が強いです。特に大企業では膨大なデータの管理が必要となり、堅牢なセキュリティ機能が求められるため、大企業でクラウドサービスを使用する際に向いています。
また、先述の通りMicrosoft製品との相性がよく、自社の状況に合わせた活用ができるため、Microsoftのサービスを頻繁に利用している企業やユーザにもおすすめです。
クラウドサービスを利用する3つのメリット
クラウドサービスを利用するメリットを3つ紹介します。
1. 導入コストを抑えられる
オンプレミスの場合、データセンターの導入費用、回線設置費、ハードウェア費、ソフトウェア費、開発人件費などがかかります。クラウドは初期費用無料で導入でき、また利用量に応じた従量課金型なので導入コストを削減することができます。
2. システム構築にかかる時間を短縮できる
オンプレミスの場合、必要となる工程がたくさんあるため、運用を始めるまでに多くの時間が必要です。クラウドサービスを利用すれば即時導入が可能なため、開発時間を短縮でき、運用までスピーディに進められます。
3. メンテナンスなど運用コストを抑えられる
オンプレミスの場合、データセンター維持費、回線利用費、リース・レンタル費、保守人件費などがかかります。クラウドの場合、サーバの運用はクラウド事業者側が行うのでオンプレミスに比べ、運用コストを抑えられます。
クラウドサービスを利用する3つのデメリット
反対に、クラウドサービスを利用する上で抑えておきたい3つのデメリットも紹介します。
1. カスタマイズの自由度や柔軟性は低い
サーバやリソースを借りる形になるので、すべてを自社で調達・開発するオンプレミスに比べると、自由度や柔軟性が低くなります。
2. データ消失や、サービスが終了・停止する可能性がある
クラウド事業者側の障害によるデータ消失・サービス停止のリスクがあります。停止中はサービスを利用した業務ができなくなるため注意が必要です。
3. インターネット環境の影響を受けやすい
クラウドサービスを利用するには、ネットワーク環境が整っていない場所では利用できません。そのためインターネット環境によってクラウドサービスが使用できない場合があります。
AWS/GCP/AzureにおけるAI系サービスの比較
AWS/GCP/AzureにおけるAI系サービスを、主要タスク別にまとめて紹介します。
開発プラットフォーム
まず、開発者やデータサイエンティストが機械学習モデルを構築・トレーニング・デプロイするためのサービスはそれぞれ以下の通りです。
種類 | Azure | GCP | AWS |
---|---|---|---|
開発プラットフォーム | Azure Machine Learning | AI Platform | Amazon SageMaker |
ここからは、主要タスク別に各サービスを紹介します。
視覚認識系サービス
種類 | Azure | GCP | AWS |
---|---|---|---|
画像認識API | Computer Vision | Vision API | Amazon Rekognition Image |
画像認識のAutoML | Custom Vision | AutoML Vision | Amazon Rekognition Custom Labels |
顔認識API | Face | Vision API | Amazon Rekognition Image |
動画認識API | Video Indexer | Video Intelligence API | Amazon Rekognition Video |
ドキュメント分析API | Azure Form Recognizer | Vision API | Amazon Textract |
自然言語処理系サービス
種類 | Azure | GCP | AWS |
---|---|---|---|
自然言語処理API | Language Understanding | Natural Language API | Amazon Comprehend |
自然言語処理のAutoML | – | AutoML Natural Language | Amazon Comprehend |
検索API | Bing Search API | – | Amazon Kendra |
チャットボット構築 | Azure Bot Service | Dialogflow | Amazon Lex |
Q&A作成 | QnA Maker | – | – |
テキスト翻訳API | Translator | Translation API | Amazon Translate |
テキスト翻訳のAutoML | Custom Translator | AutoML Translation | Amazon Translate Custom Terminology |
音声言語処理系サービス
種類 | Azure | GCP | AWS |
---|---|---|---|
音声変換API | Speech Services | Text to Speech | Amazon Polly |
文字変換API | Speech Services | Speech to Text | Amazon Transcribe |
音声翻訳API | Speech Translation | Media Translation | – |
話者認識API | Speaker Recognition | Speech to Text | Amazon Transcribe |
表データ処理系サービス
種類 | Azure | GCP | AWS |
---|---|---|---|
表データのAutoML | Azure Machine Learning AutoML | AutoML Tablels | Amazon SageMaker Autopilot |
レコメンデーションのAutoML | Personalizer | Recommendations AI | Amazon Personalize |
時系列予測系サービス
種類 | Azure | GCP | AWS |
---|---|---|---|
時系列予測のAutoML | Azure Machine Learning AutoML | – | Amazon Forecast |
異常検知系サービス
種類 | Azure | GCP | AWS |
---|---|---|---|
攻撃的なコンテンツの検出API | Content Moderator | – | – |
異常検知API | Anomaly Detector | – | Amazon Fraud Detector |
Azure/GCP/AWSが学べるおすすめ講座紹介
最後に、豊富な知識をもつ講師から3大クラウドサービスを学べるスキルアップAIのおすすめの講座を紹介します。
機械学習クラウド講座
機械学習クラウド講座では、クラウドプラットフォームが提供する機械学習系サービスの活用方法を学ぶことができます。AWS、Azure、GCPの各プラットフォームにおける代表的なサービスを学びながら、目的に応じた最適な使い分け方を身につけていきます。
クラウドを選ぶコツを習得したい方、クラウドの機械学習サービスを使いこなすスキルを身につけたい方におすすめです。
まとめ
クラウド市場は年々増加傾向で、クラウドの普及にともない、さまざまな企業が便利なクラウドサービスを提供しています。クラウドサービスを活用することで、より少ない労力で多くの処理を実行することが可能です。特に機械学習においては、個人や企業のマシンスペックによらない処理や分析をすることができます。
各サービスで似た内容の機能が提供されていますが、連携するサービスや特徴などに違いがあります。自社のシステムとの相性やその時のプロジェクト期間の長さなどに応じて、クラウドを選択したり、使い分けたりすることが重要です。
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