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AIニュースまとめ(6月7日週)
こんにちは。スキルアップAIの泉です。
スキルアップAIでは、AIに関するニュースをピックアップし、週間で紹介しております。
今回は、6月7日週のAI関連のニュースを紹介していきます。
◇IoTを活用した海苔製造
IoT活用事例:海苔加工における生産効率の最大化に向けて、IoT温湿度管理ソリューションを試験採用
- 湿気に弱い海苔は、含有水分量が一定値を超えた際には生産後の品質に影響が出る可能性があり、工場内の湿度を適切に保つことが必要不可欠
- 株式会社大洋食品は、工場内の湿度管理を目的に、アステリア社のIoTミドルウェア「Gravio」とレノボ・ジャパン社のIoTゲートウェイを用い、IoT温湿度管理ソリューションの試験採用に乗り出した
月に700万枚〜800万枚を生産する大村工場では、人手不足解消を目的として生産ラインの機械化を進めていました。
しかし、湿気が多いと裁断片などが機械に付着し、機会を停止して洗浄する必要があり、湿度管理に手間がかかっていたそうです。
工場では1日1回担当者が各所を巡回、計測機で温湿度をチェックしていましたが、細かな温湿度の変化は把握が困難でした。
特に、湿度の高い梅雨の時期は海苔製品の生産効率が10%ほど落ちてしまうそうです。
そのため、各所湿度データのリアルタイムに収集・把握を目的として「Gravio」と「ThinkCentre M90n-1 Nano loT」を用いたIoTソリューションを導入しました。
「Gravio」で収集・加工された温湿度データは事務所のPCに転送・可視化され、毎分そのデータが更新されることで異常値が検出された際にアラートが発せられます。 工場内の湿度は、資材の搬入や製品の搬出、作業者の出入りや発汗などの様々な要因に影響されるので、今回のIoTソリューションによる湿度管理の徹底によって季節による変動が少なく安定した生産を実現したいと関係者は話しています。
確かに、自宅で保存している海苔もすぐに湿気てしまいますね。
しかし、工場内の人の汗も温湿度に影響があるとは、中々調節が難しそうです。
工場周辺の天気や季節風なども考慮に入れたデータベースなどを構築し、異常値を検出する前に未然に温湿度の変動を防ぐ自動調節可能な大規模空調などを開発できたら便利そうだと思いました。
◇犬の肉球から心電図測定 AIがその場で心臓病を解析
ニュースリリース:HACARUS(ハカルス)×DSファーマアニマルヘルス 犬の肉球から心電図データを取得しデータを可視化する装置およびAIシステム 試用モニターの公募を開始
- 株式会社HACARUSとDSファーマアニマルヘルス株式会社が動物の肉球(足裏)から心電を測定し、AIで心臓の異常を解析するシステムを開発したと発表
- 動物を測定装置(シート)の上に立たせるだけで心電図を取得可能
- 測定開始から約1分後には結果を表示可能で、その場で解析結果を確認できる
今回のシステムでは、以下の2つを掛け合わせています。
- 心電を簡単に測定可能な装置
- 心電データをAIが解析するシステム
これによって、犬への負担が少ない状態で迅速・正確な心電測定を実現し、 心臓に異常がある可能性の解析と心拍数測定が実施可能です。
従来、心電測定の際は動物を横向きに倒し、身体に電極をつけて測定を行います。
しかし、1で特殊な電極の開発によって肉球(足の裏)からの心電図データ取得に成功し、動物を押さえない心電測定を可能にしました。
2は、動物循環器認定医の疾患情報と心電データに基づく診断データを学習しており、1で肉球から取得した心電図データをもとに判定します。
心臓病は犬の死因第2位であり、早期発見が望まれる疾患であるため、健康診断や日常診療が重要となります。
私も以前犬を飼っていましたが、保険がきかないので検査・治療の際に多額の医療費がかかっていました。
歳をとると、病状がすぐに悪化してしまったりするので、記事にもあったように手軽でお安い検査ができると嬉しいですね。大切なペットにはいつまでも健康で長生きしてほしいです。
人間を対象とした、心電図を利用したアプリケーションの開発も進んでいますが、犬と人間の心臓の健康さを評価する際、どのような点が異なってくるのかが個人的にとても気になります。
◇危険運転シーンを検知、安全運転評価業務にかかる時間を従来比約50パーセント削減
ニュースリリース:サントリーロジスティクス様において、フォークリフト操作のAI判定システムにより安全運転評価業務を効率化
- 物流業界ではフォークリフトに起因する荷役作業中の労働災害が多数発生しており、運転者を含めた労働者の死亡事故も毎年発生している
- 富士通株式会社とサントリーロジスティクス株式会社が共同でフォークリフトの安全運転評価業務を効率化するフォークリフト操作のAI判定システムを開発
- 従業員が計500時間かけて点検を行っていが、AI判定システムの活用によって安全運転評価業務にかかる時間を従来比約50パーセント削減
サントリーロジスティクス株式会社は災害防止を目的に、フォークリフト操作の確認、評価業務による安全・安心な業務を推進しています。
しかし、年2回の数百名分のドライブレコーダー映像点検に多くの時間がかかってしまうことや、従業員による目視の確認での見落とし、評価のばらつきが課題となっていました。
このような背景から、フォークリフト操作のAI判定システムが開発されました。以下の2点がシステムの特徴です。
- 倉庫内を走るフォークリフト特有の危険運転シーンを切り出し、評価業務における効率性を向上
- 危険運転シーン検知の根拠を可視化することで、評価の納得感を向上
1では、映像の変動量の分析やディープラーニングを用いた解析によって、以下3つの組み合わせから、危険運転につながる行為である「ながら操作」「静止確認不足」「一時停止確認不足」の危険運転シーンを検知します。
- フォークリフトの走行状態(走行中、旋回中、停止中)
- 運転者の乗車状態(乗車中か否か)
- 爪の昇降位置の状態(操作中、停止中)
この検知結果に基づいて危険運転が行われている時間帯、行われていない時間帯の映像再生速度を変更することで、映像点検時間を従来比約50パーセント削減が可能になりました。
2では、評価者に検知した危険運転シーンを提示し、特に注意が必要な危険運転シーンに集中した評価が可能です。
また、動画内に独自の安全係数(安全運転シーンの割合を見積もる係数)表示によって、運転者は適切で納得感が高い運転評価フィードバックを受けることが可能になります。
今後はアラーム機能も搭載し、リアルタイム活用も視野に入れているそうです。
こういったフォークリフトで死亡事故が多発しているということにとても驚きました。今回は倉庫での活用ですが、工事現場などでも活用できそうですね。
フォークリフトの操縦による死亡事故で多いものは、墜落や転落、はさまれ・巻き込まれ、作業者への激突、転倒などが挙げられるそうです。
今回のシステムは運転者に焦点が当たっていますが、リアルタイムでアラームを発するのなら周辺環境を把握するために、ドライブレコーダーをもう一台活用導入するのも有効そうです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
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今後も、AI関連ニュースの記事を共有していきたいと思います。ご期待ください!
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