最終更新日:
AIニュースまとめ(7月5日週)
こんにちは。スキルアップAIの泉です。
スキルアップAIでは、AIに関するニュースをピックアップし、週間で紹介しております。
今回は、7月5日週のAI関連のニュースを紹介していきます。
◇作品のタイトルとあらすじをAIが評価する、「タイあら判定」機能
参考記事:ついに小説のタイトルとあらすじを「AIが評価」する時代が来た…!
- なろうRaWiというサイトでは、「小説家になろう」に投稿された作品のタイトルとあらすじをAIが評価してくれる「タイあら判定」機能を提供
- このサービスの運営者は自らこの機能を使い、高評価を受けたタイトルを元に短篇小説を投稿
この「タイあら判定」機能は、「なろうRaWi」で公開されています。
この「なろう」は、史上最大の小説投稿サイト「小説家になろう」からとっているそうです。その後の「RaWi」は『Reader(読者)とWriter(作者)の間に人工知能(AI)』をコンセプトに名付けられているそうです。
この「RaWi」では最先端のNLP(natural language processing)技術により、 小説のタイトル・あらすじを評価できます。
また、AIにより「小説家になろう」に投稿された小説を評価し、 類似作品の検索なども可能です。
この「タイあら判定」では、小説の本編を投稿する必要はなく、本編執筆の前段階である「タイトル・あらすじ」を投稿します。
AIが小説を評価する際には、小説のタイトル・あらすじなどを多次元のベクトルに変換し、膨大な次元数で構成された領域における、「人気度」をAIに学習させているそうです。
実際に、サービスの運営者が執筆した小説のタイトルを、この機能で「最低評価だった小説タイトル」から「最高評価となったタイトル」に変更したところ、読者数などが激増しました。
私は高校の文芸部に所属していた頃、いつも顔を合わせていた先輩がこの「小説になろう」で私がよく読んでいた作品の作者だったと判明したことがあります。
この小説サイトでは、膨大な数の作品が投稿されているので、とても驚きました。
最近では、このサイトの小説が書籍化・アニメ化されることがとても多くなっており、タイトルやあらすじのアドバイスをもらいたい小説執筆者も多いと思われます。
一方、今回のAIには「小説になろう」の「人気度」が使用されていますが、必ずしも、このサイトで好まれるタイトルやあらすじが、世間の幅広い層にうけることはなさそうかな、とも思います。
この小説投稿サイトで人気になる作品は、タイトルやストーリー自体、かなり特徴的だと思います。
過去の直木賞受賞作品や、ジャンプコミックなど、他ジャンルのタイトル・あらすじ、人気度などを入れてみたら、どのような傾向が見られるのでしょうか。気になりますね。
参考サイト:なろうRaWi 〜小説と人工知能〜
◇企業のAIを自動モニタリングし、自動で検証を行うことで品質をサポートする、「Citadel Enterprise Solutions」
ニュースリリース:企業のAIの品質をエンドツーエンドでサポートする「Citadel Enterprise Solutions」の提供開始
- AIの品質維持の重要性が高まる一方、運用の現場には課題が存在
- 株式会社Citadel AIが、企業のAIの品質改善に関わるコンサルティングサービス「Citadel Enterprise Solutions」の提供を開始
AIを開発している段階の環境と、実際の世界を比較すると、現実では周りの環境は常に変化しており、何も対策をしなければAIの精度・品質は劣化が進んでしまいます。
例えば、マーケティング関連では、コロナ禍での生活変化での需要予測モデルの狂い、自動運転では荒天や夜間といった状況変化があります。
さらに、作業環境の連携ミスや取り込むデータ自体のトラブルなども起こるかもしれません。
こうした影響により、AIが誤認識・誤学習を行なってしまい、それによる損失や他の問題が起こる前に、異常の自動検知を行い、AIの品質を保つことが重要です。
しかし、AIシステムの運用状況を常に監視することは、企業にとっては大きな負担となり、現実的に難しい問題となっています。
そこで、AIの異常をタイムリーに検知し、適切な再学習・更新を行い、AIの品質や精度を高め、信用を維持することを目的として、【Citadel Enterprise Solutions】の提供が開始されました。
これは、既にベータ版がリリースされている「Citadel Radar」とトライアル提供が開始された「Citadel Lens」のシステムによって構成されています。
「Citadel Radar」:運用開始後のAI品質を自動モニタリング
- 異常の自動検知、ブロック、可視化など
「Citadel Lens」:モデル更新・再学習時のAI品質を自動検証
- パフォーマンスの低い顧客セグメントを自動検出して比較
- 異なるモデルバージョン間での新たなエラーや整合性のない予測値の検出
- 信頼度キャリブレーション、特徴量感度、出力エラー分析などの包括的信頼性テスト
「Citadel Enterprise Solutions」:AIの品質改善に関わるコンサルティング
- 自動モニタリング機能を通じて得られた情報から課題を確認
- データ品質、モデル品質等の観点から改善策を提案
- Citadel Lensのテスト機能を通じ、モデル更新・再学習の品質を自動検証
このサービスは、インフラ・金融に関連したAI運用に強いニーズを見込んでいます。
また、現状では、画像データの処理までは含めていないが、将来的なニーズも含めて、開発を進めているとのことです。
AIの勉強を始めた頃に参加したセミナーで、「XAI(Explainable Artificial Intelligence:説明可能なAI)」という言葉を知りました。
これは、与えられたデータに対する推論の過程がブラックボックス化され、なぜその特徴量を抽出したのか説明できないという問題をテーマとしています。
つまり、何かトラブルがあった際の原因追究などを目的として、なぜその判断を下したのか、AIの「判断の根拠」を探る必要があるということです。
そのときに、私は漠然とAIに対して万能なイメージがありました。しかし、そのセミナーに参加して、「実際のところはそんなに簡単なものではなさそうだしすごく難しそう…」と考えが変わりました。
AIを使ったシステム事例を見る際は、今回の記事のような定期的な「メンテナンス」と、XAIのような「解釈性」にも着目していきたいです。
◇クマを検知するAI搭載カメラの実証実験
ニュースリリース:~クマの出没情報をリアルタイムで通知~被害を未然に防ぐ!クマ検知 AI カメラソリューションFaceBearの開発に着手
- 昨年の石川県内のクマによるけが人は過去最多の15人
- AIを使ったクマ検知カメラの実証実験が金沢市内で開始
金沢市では、クマの出没が相次いでおり、けが人や果樹園での被害が出ています。
そこで、AIを使ったクマ検知カメラが開発され、その実証実験が金沢市内で始まりました。
これは、防犯カメラなどの開発・販売を行う金沢市のダイワ通信により開発されています。
現時点でクマの画像データ、約1000枚を学習していて、95%の精度でクマを検知することができるそうです。
クマを検知するとアプリに通知が届き、アプリ上でクマの位置と画像が確認できるようになっています。
今後、光や音が出る製品を繋げ、熊を威嚇して追い払う機能も追加する予定だそうです。
記事内の動画で精度を確認する部分で、スタッフがクマに扮して四つ足で登場しているのですが、見た目がシュールで少し笑ってしまいました。
最近も、住宅街でクマが出没するニュースが多いですね。
山を囲むようにこのカメラを取り付けて、クマを発見した場合は自動で山の内部に向けて追い払う…ような仕組みなどが効果的ではないでしょうか。
おわりに
いかがだったでしょうか?
スキルアップAIでは、関連講座として「現場で使える自然言語処理 実践講座」を開講中です。理論の説明と合わせて、Python/Pytorchによる主要技術の実装を行い、さらに、ビジネスへの応用を想定した実践的な課題を通し、理論を実務へ応用できるスキルも身に付けられる講座です。
また、「現場で使える XAI(Explainable AI)講座」は、説明可能なAI (Explainable AI; XAI) の概要を理解し、ハンズオンを通して主要技術の実装までを行う内容になっています。是非ご検討ください。
今後も、AI関連ニュースの記事を共有していきたいと思います。ご期待ください!
配信を希望される方はこちら
また、SNSでも様々なコンテンツをお届けしています。興味を持った方は是非チェックしてください♪
公開日: