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AIニュースまとめ(2月22日週)
こんにちは。スキルアップAIでインターンをしている泉です。
スキルアップAIでは、AIに関するニュースをピックアップし、週間で紹介しております。
今回は、2月22日週のAI関連のニュースを紹介していきます。
◇日立製作所、AIによる災害状況把握を目的とした空撮映像解析の開発進む
論文
https://www-nlpir.nist.gov/projects/tvpubs/tv20.papers/vas.pdf
- 空撮映像から災害状況を解析する際、災害によって学習データ数に偏りがみられ、認識精度に影響が出るという課題へのアプローチ
- 見逃し・誤分類などの誤った情報を多く含む学習サンプルに対応したAI学習手法の開発
- 災害発生時に人がすぐには立ち入れない現場の詳細な状況を、迅速かつ容易に把握することが可能に
今回の映像解析は多クラスかつ多ラベルの分類問題として扱われています。
関連論文によると、1枚の画像内に「煙/炎」、「洪水」、「車」など複数のラベルが付けられた災害時の高解像度空撮映像がデータセットとして利用されましたが、そのラベル自体が誤ってつけられたものが含まれている点などが課題だったそうです。
こういった課題に対して、
①誤ラベルの伝播を減らすため、複数のアノテーションを平滑化させるようなラベルエンコーダー
②撮影された災害の種類の偏りへの対策として、コスト関数に基づいたFocal Lossという損失関数の導入
③高解像度の入力画像を扱うための効率の良いネットワークの活用
などの解決案がとられました。
今回の「学習データの偏り」や「見逃し・誤分類などの誤った情報を多く含む学習サンプル」への対策は、今後症例の偏りや医師による誤診断があるMRI画像やCT画像を利用した自動診断にも活用できる可能性が高いと考えられます。
◇悪質コメントを検知し、投稿される前にブロックするコンテンツモデレーションAI機能の開発進む
- AIによって投稿の前に誹謗中傷を中心とする悪質なコメントのスクリーニング、ブロックを可能に
- コメントの迅速な悪質性の判断・削除
- 現段階ではAIがユーザーのかわりに通報を行う機能を実装
従来のキーワードなどの検出ではなく、文脈を含めたコメントをニューラルネットワーク上で抽象化することで、迅速なコメント悪質性を判断できる機能が実現されました。また、膨大なコメントのデータ活用によって、高い確率で悪質コメントを検知可能です。
日本語特有の遠回しな言い方による悪質なコメントなども判断できる点が特徴ですが、若者言葉や流行り言葉は移り変わりが早いため、コメントのデータベースの頻繁なアップデートなどが必要となってくるかもしれません。
◇富士通、タブレット端末などで撮影した動画から肩や肘の可動域を自動測定可能に
- 関節を動かす様子を撮影し、AI搭載PCにデータを送信すると映像から患者の骨格を自動で推定
- タブレット端末だけで計測を行う事ができるので、計測の簡易化が可能
現在角度計などを用いて測定されている肩や肘の可動域ですが、これまで業務理解が担当者のみに偏ってしまう属人性や、測定の人手不足などが問題となっていました。
このAIは、肩と肘関節の動作パターンを学習させた画像認識モデルを複数組み合わせて開発されており、タブレット端末カメラなどで関節を動かす様子を撮影、PCにデータを送信すると映像から患者の骨格の自動推定が可能です。
今回のサービスで肩・肘の曲がる角度を方向別に計16通り測定でき、上記の問題解決に加え、計測の簡易化・計測時間の削減も可能となりました。
本サービスは整形外科やリハビリ現場に向けたものですが、自宅や老人介護施設などで撮影した映像を送信すればリハビリ効果を日常的に確かめることもできそうです。
◇マルチモーダルAIを活用した画像キャプション生成を自動化するライブラリ提供開始
- 学習した画像とテキストデータから画像キャプションを自動生成するライブラリの提供開始
- 動画データの入力からテキストの出力までが自動化によってレポート作成などの業務時間を短縮可能
マルチモーダルAIとは、画像認識や音声認識などを複合的に処理、多面的な情報を統合して判断する特化型AIのことです。走行距離や運転特性などの運転情報を取得・分析するテレマティクス保険などに活用可能です。
従来は収集した動画データから目視で確認しレポートを作成する必要がありましたが、今回のライブラリ提供によって作業時間の短縮が可能となりました。熟練者レベルに近い問題処理能力を持ち、動画データの入力からテキストの出力までが自動化されるため、今後、工場など様々な場面でのマニュアル作成にも活用することができそうです。
おわりに
いかがでしょうか?これまで課題点となっていたこともAIによって解決され、様々な方位でAIを活用する可能性が広がっています。
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今後も、AI関連ニュースの記事を共有していきたいと思います。ご期待ください!
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