最終更新日:
AIニュースまとめ(3月1日週)
こんにちは。スキルアップAIの手柳です。
スキルアップAIでは、AIに関するニュースをピックアップし、週間で紹介しております。
今回は、3月1日週のAI関連のニュースを紹介していきます。
◇富士通、集中度合いを定量的に推定する汎用AIモデル開発
- 様々なタスクを実行している時の集中度を測定
- 85%を超える精度で推定可能
従来のモデルでは、集中度合いを測るためにはタスクを行う人の表情や振る舞いを学習データとして用いていました。しかし、表情や振る舞いは行っているタスクや個人の文化的背景に依存するため、場面に応じて個別にモデルを開発しなければなりませんでした。
今回、富士通はより細かな筋肉の動きを捉えることでタスクや文化的背景の影響を受けにくい汎用AIモデルを開発し、集中・非集中度を85%以上の精度で測定可能となりました。
集中度を測る技術は特に小学校などの教育現場で活かせそうですよね。子供たちの集中度に応じて適切なサポートができるようにアドバイスしてくれる機能等が追加されるとより便利になりそうです。
◇独フォルクスワーゲン、レベル4の自動運転開発
- 2021年にドイツ国内初の公道試験実施予定
- 2022年発売の電気自動車にレベル4の自動運転機能実装
ドイツのフォルクスワーゲン(VW)がレベル4の自動運転開発を開始しました。VWは自動運転開発に10億米ドル投資しており、自動運転実現に対する志がうかがえます。今年中にはドイツ国内での初めての公道試験を実施し、2022年までに市販を目指します。
ドイツでは、先日道路交通法改正案が閣議決定されています。この法案が可決されれば、世界初となる、公道で実験走行ではなく通常走行するレベル4の自動運転が実現されます。
日本では開発こそ進んでいるものの、レベル4の解禁は法整備などの影響で2025年になる見込みです。やはり自動運転技術は、技術そのものよりも安全面や責任問題に関する法律の制限が大きいと考えられます。
◇AIにより写真から漫画風の線画を生成
- 漫画業界では、質の高い背景作画が負担に
- 写真から漫画やアニメ風な線画を生成
- 数時間かかる作業が1分に
株式会社RADIUS5は、AIプラットフォーム「cre8tiveAI」に、写真から漫画やアニメ風の線画を生成するAI「Line Drawer」を追加しました。
漫画制作する際、背景はアシスタントが担当することが多いですが、アシスタントを付けていない個人の漫画家は質の高い背景を描くのは大きな負担となります。今回の「Line Drawer」を用いると、1枚の写真からテイストの違う6種類の線画を作成できるようになり、数時間かかる作業が1分程度に短縮されます。
こちらを活用すれば大幅な作業効率アップにつながり、いずれは背景だけでなく個々のキャラクターもAIが生成できるようになる可能性もあります。「原作:人間、作画:AI」の作品が公開される未来もあるかもしれません。
◇Microsoftが「PowerPoint」に、自身のプレゼンをAIが分析し修正点、改善点を指摘する機能を追加
- プレゼンテーションする声をAIで分析し、修正点を指摘
- リアルタイムのアドバイスも可能
Microsoftが「PowerPoint」に、自身のプレゼンをAIが分析し修正点、改善点を指摘する機能を追加しました。PCのマイクで話者の声を分析し、声のトーンや話すスピードだけでなく、NGワードを使っていないか、スライドの文を読むだけになっていないかなど評価してくれます。現在の対応言語は英語のみですが、今後追加される見込みです。
社会人の方はもちろん、研究発表などでPowerPointを利用することの多い学生にとってもありがたい機能です。音声だけでなく、映像で姿勢や身振りなどの修正もできるようになるとより効果的になりそうです。
◇Facebook、自己教師あり学習AIモデル「SEER」を発表
- インターネット上にあるラベル付けされていないランダムな画像から学習できる
- 従来の自己教師あり学習では、すでに整理されたImageNetが用いられることが多い
- いくつかのタスクにおいて、教師あり学習モデルを上回る精度を達成
Facebookが自己教師あり学習に大きな進歩をもたらしました。
従来のコンピュータビジョンにおける自己教師あり学習では、主にImageNetをトレーニングデータとして使用しています。ImageNetは、膨大な数の画像からなる大規模なデータベースで、すでに研究者らがラベル付けして整理されています。
しかし、今回の研究では完全にラベルのないインターネットの画像データセットから学習を行い、物体検出、画像分類、セグメンテーションなどのタスクにおいて最新の教師あり学習モデルを上回る精度を達成しました。
機械学習ではデータ収集のみならず、集めた大量のデータに対するラベル付けに非常に時間がかかります。この作業がなくなり、なおかつ精度も担保されるのであればより高性能なモデルの開発につながっていきますね。
おわりに
いかがでしょうか?今回は従来のモデルや技術を払拭するような開発が多かったように思います。
スキルアップAIでは、関連講座として「現場で使える自然言語処理 基礎講座」を開講中です。本講座では、仕事で必要とされる基本的な自然言語処理タスクの実装スキルを身に付けることが可能です。
また、様々なGANの派生形について体系的に学ぶことができる「GAN(敵対的生成ネットワーク)講座」も開講中です。是非ご検討ください。
今後も、AI関連ニュースの記事を共有していきたいと思います。ご期待ください!
配信を希望される方はこちら
また、SNSでも様々なコンテンツをお届けしています。興味を持った方は是非チェックしてください♪
公開日: