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AIニュースまとめ(3月22日週)
こんにちは。スキルアップAIの泉です。
スキルアップAIでは、AIに関するニュースをピックアップし、週間で紹介しております。
今回は、3月22日週のAI関連のニュースを紹介していきます。
◇AIビジネスに携わる女性の人材不足に注目集まる
- AIビジネスに関わる女性の人材不足が問題に
- カナダのAI企業Element AIが2018年に実施した調査によると、人権意識が高い米国でさえ女性のAIエンジニアの割合は13%という少ない結果に
- 調査時の日本の割合は14.29%であり、やや高い水準であった
コロナ禍をきっかけにAI導入の機運が高まる一方、AIビジネスに携わる女性の人材不足はAIのバイアスを生む一因になり得るとして社会問題にもなっています。そんな中、国際女性デーの3月8日にAI業界における女性の地位向上を求める声が相次ぎました。
AI企業DefinedCrowd社の女性社長であるブラガ氏は、
『「現状のAI開発に足りないのは、感覚的アプローチ」であり、「女性は男性よりも第六感が優れており、その特性を活かすことで、より高精度な感情知能を開発することが可能」』
と記事内で述べています。
最近ではアプリで顔写真を撮って自分に合う化粧品を探したり、女性用下着のサイズの計測・提案をAIが行ってくれたりするようなサービスがでてきています。
このようなAIサービスを作るにあたって、女性ならではの視点が必要になると考えられますが、そういった製品以外にも、ブラガ氏の発言内にあった「高精度な感情知能」を生かすことができれば、使用者が受け入れやすいAIシステム構築がさらに発展しそうです。
◇投稿写真、30億枚を自動収集して作成した顔認識データベースに批判集まる
- 顔認識のためにSNSやネットから自動収集した画像データベース「クリアビューAI」の作成が進む
- プライバシーの侵害にあたるとして、人権団体から批判が相次ぐ
顔認識を目的として、FacebookやYouTube、ウェブサイトなどから自動収集した30億枚の画像データベース「クリアビューAI」が米陸軍、空軍などでも活用されているそうです。しかし、このデータベースがプライバシーの侵害にあたるとして人権団体から批判も相次いでいます。
これに対して、「クリアビューAI」側は、このデータベースは憲法が保障する「表現の自由」にあたると主張しています。
最近話題になっている、人種や性別によって顔認識の精度が異なるという課題に対して、より多くの人々の顔写真を収集するのはとても有効だと思います。
一方で、他人が撮影した写真に偶然写ってしまい、顔認識をされてしまうことがあったらどうなのでしょうか。私は、そういった場合に顔写真を勝手に使われてしまったりしたら少し嫌だな、と感じます。使用許可を得た顔写真のみで構成されたデータベースを活用できるような手法や技術開発が進んでほしいですね。
◇ボッシュ、AI活用で製造工程の不具合を検知するシステムの開発と工場への導入進む
- ボッシュ(独)がAI活用で製造工程の異常や不具合を検知するシステムの開発を発表
- 将来的には約240の工場でAI解析システムを導入予定
- 既にシステムが先行して稼働している工場では、生産ラインのサイクルタイムを15%短縮可能に
このシステム導入によって、製造工程の早い段階で異常・不具合を検知できるようになるため、工場の効率化や生産性と製品品質の向上が期待されています。年内にはグローバルで約50拠点展開しているパワートレイン工場に導入していくようです。
ボッシュのHPによると、自社工場のデジタル化・ネットワーク化を進めるため、今後数年間で約5億ユーロを投入する予定とのことです。これが実現すれば、抑えられるコスト額は2025年までに約10億ユーロに達する見込みとなっています。
投資予定金額も、節約できると見られているコスト額も非常に高額で驚きました。ここまで大規模なシステム導入をできる企業は限られていると思いますが、具体的に製造業のどういった場面でAI活用が行われていくのか、とても興味深いです。
参考記事 :ボッシュHP https://www.bosch.co.jp/press/group-2103-01/
◇緊急事態宣言解除後の週末3月27日、28日のお花見スポットの人流をAIで予測
- AIを使ったシステムによる、2021年お花見スポットの人出の予測を発表
- 気象情報、新型コロナウイルスによる影響、他への訪問情報、曜日、桜の開花・満開予想情報などを利用
このシステム活用で、1週間先までの人流変化・来訪者数予測が可能となります。今後、公共の分野では防災やスマートシティなど、人々の役に立つ情報提供も視野に入れているようです。
今回、お花見の人出は、昨年よりも人数が減少するという予測でしたが、千葉公園だけほぼ横ばいになっていました。他のお花見スポットが東京にあるものが多かったので、交通の利便性が考慮された結果でしょうか。
コロナの影響下では、予測を見て人手が少なさそうな場所に人が集中する可能性も考えられるので、予測の精度計測などを行うのが難しいケースもありそうです。
◇米アマゾン、すべての配送車にAIカメラシステムを導入
- アマゾンが、運転手のあくびやスピードオーバーを検出するAI搭載型カメラシステムを導入したと発表
- 脇見運転、スピード違反、居眠りなど16種類の行為を検出可能
- 事故の際にドライバーの潔白の証明に活用できる一方、一部従業員から「ある種の支配だ」という反発も
アマゾンが、AI搭載型カメラを使って配送の全行程でドライバーを監視する「Driveri」を導入すると発表しました。問題行為が検出されたライブ映像が送信されるのは、AIが問題行為を検出した時のみだそうですが、一部従業員の反発を引き起こしています。
最近はプライバシーと、使っているソフトの負担の問題から、学生はオンライン授業でも顔出しをしないことが多いそうです。
学生としてはリラックスして授業を受けることができ気が楽かもしれませんが、教授側からすると、授業をちゃんと受けているのかという不安があると思います。
様々な意見があるようですが、このようなシステムは、授業をちゃんと受けているかどうかのチェック機能としても有効に使えるのではないでしょうか。
おわりに
いかがだったでしょうか?最近は目まぐるしくAIによるシステムが開発されていますが、同時に人材不足やプライバシー・倫理などの問題も浮上してきているようです。
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今後も、AI関連ニュースの記事を共有していきたいと思います。ご期待ください!
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