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G検定とは|試験範囲や難易度、合格率、おすすめの勉強方法を解説
G検定とは、ディープラーニングの基礎知識を有しているかを認定するジェネラリスト向けの資格です。業種を問わず多くの人が受験しているのが特徴で、企業のDX推進に向けて受験している方も少なくありません。G検定を取得することで、AIを事業に活用するために必要な基礎知識・リテラシーを身に付けていることを証明できます。
本ブログでは、G検定の難易度や取得費用、合格率などの概要と、取得するメリットや転職における活用方法について紹介します。
1.G検定とは
G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するAI・ディープラーニング活用のためのリテラシーを有しているかを認定する資格です。ディープラーニングを事業に活用するための能力や知識が問われます。
- AI・ディープラーニングについて基本的な概念や構造を知りたい方
- AIエンジニアになるための最初の一歩を踏み出したい方
- 職場でAI理解の必要性を感じ始めた方
に是非おすすめしたい資格の1つです。
第3次AIブームといわれている昨今では、ビジネスにおけるAIの実用性が向上しており、AIの導入を本格的に検討する企業が増えています。今後、AIを導入する分野がさらに広がることが予測されており、それに比例して、DX理解のためのリテラシーを有する人材の需要も増えていくことが予想されています。
G検定とE資格の違い
G検定とE資格は、どちらもディープラーニング活用のためのリテラシーを有しているかを認定する資格ですが、それぞれ対象者が異なります。G検定はビジネス向けであり、E資格はエンジニア向けの資格です。
E資格の方が難易度が高く、試験を受けるためには試験日の過去2年以内にいずれかのJDLA認定プログラムを修了する必要があります。
E資格とは|メリットや難易度、合格率、転職での活用方法を徹底解説
2.G検定の試験概要(受験料、出題範囲、試験日など)
G検定の試験概要を以下の表に示します。
項目 | 内容 |
---|---|
概要 | ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。 |
資格名称 | G検定 |
資格認定団体 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) |
試験日程 | 通常年3回(3月・7月・11月) |
受験資格 | 制限なし |
受験費用 |
|
受験会場 | オンライン実施(自宅受験) |
試験時間 | 120分 |
出題問題 | 知識問題(多肢選択式・220問程度) |
出題範囲 |
|
詳細ページ | 日本ディープラーニング協会 G検定とは |
申し込み方法 | 日本ディープラーニング協会公式 受験(申込)サイトから申し込み |
出題内容の詳細
G検定の出題範囲を以下に示します。項目ごとに何を勉強するか確認しましよう。
・人工知能(AI)とは(人工知能の定義)
人工知能の定義や分類、成り立ちから研究の歴史などが問われます。人工知能分野で議論されている問題等が扱われているため、ディープラーニングに関する基礎的知識や背景を網羅して理解する必要があります。
・人工知能をめぐる動向
第1次、第2次ブームで中心的な役割を果たしたシステム、機械学習・深層学習、機械学習、ニューラルネットワークなどが問われます。ディープラーニングの研究と歴史、それぞれの関係について触れるため、専門用語が多くなっています。
・人工知能分野の問題
トイ・プロブレムからシンギュラリティまで、人工知能の研究で議論されている問題などが問われます。今後発明されるであろう人工知能の実現可能性を考察します。
・機械学習の具体的手法
教師あり学習、教師なし学習、強化学習の基本的な理論が問われます。学習されたモデルの精度の評価方法と評価指標などにも言及されているため、各モデルの違いや正確性の違いを理解する必要があります。
・ディープラーニングの概要、手法
ディープラーニングの概要やそれが実現するために用いられた方法、ディープラーニングの学習に用いられるアルゴリズムなどが問われます。脳の神経回路を模した数理モデルであるCNN、生成モデルにディープラーニングを取り入れた深層生成モデル、画像認識分野、音声処理と自然言語処理分野、深層強化学習分野など、幅広いディープラーニングの手法を理解する必要があります。
・ディープラーニングの社会実装に向けて
AIプロジェクトの計画、データ収集、AIのビジネス活用と法・倫理、現行の議論などの知識が問われます。AIプロジェクトをどのように進めるか、実際にサービスやプロダクトとしてAIシステムを世に出す局面で注意すべきことなどを学びます。
・数理・統計
最適化に必要な数学の基礎知識、機械学習で必要な統計学の基礎が問われます。
3.G検定の難易度
G検定は、未経験者でも合格は可能ですが、簡単ではないでしょう。その理由を以下に示します。
1. IT業界や、それに準ずる前提知識を持った方の合格率が他業界より高い
G検定を受験する人は自身の仕事に関わりがある方が多く、大学や大学院で専門的に学んできた方や、業務上でAIと関わりが深い人が多くを占めます。
JDLAが公表するG検定2022#3における合格者の属性によると、
- ソフトウェア業
- 情報処理・提供サービス業
- コンピュータ及び周辺機器製造または販売業
の3業種の方が1,923名(/4,964名)合格しており、全体のおよそ4割を占めています。つまり、前提知識を有していないと、合格の難易度は少々上がるでしょう。
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「【2022年 第3回G検定 結果】7,502名が受験し、4,964名が合格。」
2. 出題範囲が広く、短時間で多くの問題を正答しなければならない
G検定の試験範囲は非常に広く、偏微分や行列式のような数学の知識を求められる理系問題や、ディープラーニングに関する問題など様々な問題が出題されます。
また、試験時間120分に対して問題数は220問程度出題されるため、1問あたりに割ける時間は単純計算で30秒以下です。出題形式は多肢選択式ですが、ハイペースで問題を解いていく必要があります。
参考文献:G検定の例題 https://www.jdla.org/certificate/general/issues/
上記の理由から、G検定は比較的難易度が高い資格といえます。
4.G検定の受験者数と合格率
ここからはG検定の受験者数と合格率を見ていきましょう。
受験者数の推移
受験者数は年々上昇しており、2022年第3回の試験時点でG検定の累計受験者数は88,946名、累計合格者数は57,911名となっています。
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「【2022年 第3回G検定 結果】7,502名が受験し、4,964名が合格。」
全体の合格率
全体の合格者は例年60〜70%程で推移しています。最新の2022年第3回では受験者の66.17%にあたる4,964名が合格しました。
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「【2022年 第3回G検定 結果】7,502名が受験し、4,964名が合格。」
年代別の合格率
年代別の合格率としては、20,30代がボリュームゾーンです。最新の2022年第3回では、20,30代の合格者が3,202名で、これは合格者全体の64.5%を占めています。
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「【2022年 第3回G検定 結果】7,502名が受験し、4,964名が合格。」
職種別の合格率
職種別の合格率としては、研究・開発、情報システム・システム企画など、その知識を活かして働く方の割合が高いです。
最新の2022年第3回では、研究・開発、情報システム・システム企画の方の合格者が2,193名で、これは合格者全体の44.17%を占めています。
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「【2022年 第3回G検定 結果】7,502名が受験し、4,964名が合格。」
5.G検定を取得する3つのメリット
G検定を取得するメリットを3つご紹介します。
1. ディープラーニングの知識を網羅的に学べる
G検定を取得する最大のメリットは、取得過程で網羅的にディープラーニングを学べる点です。G検定はディープラーニングの知識に関して幅広く出題されるため、多くの知識を得られます。
仕事上などでディープラーニングの知識が必要な場合、今まで理解が足りていなかった部分を体系的に学ぶことで実務に応用するきっかけにもなるでしょう。
2. 就活・転職に役立つ
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査結果(2019年度)によると、IT人材の数について、「大幅に不足している」又は「やや不足している」という回答の合計は、89.0%に達しています。令和3年に総務省が発表したICT人材の不足・偏在を改善するためにも、現在日本ではIT人材の育成を促進しています。
経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、AI人材の不足が2030年には最大で約12.4万人まで上るとの試算を出しており、世界的に今AI人材の争奪戦が起きています。AI市場は年々拡大し、需要が高まっている一方で、AI人材の供給が追いついていないのが現状です。
今後、就活・転職を行う場合にG検定を持っていると、AI・ディープラーニングに対して理解があることが証明でき、AI関連企業への就職や転職において役立つ可能性が高いです。
3. JDLA主催の交流会に参加できる
G検定の合格者は、G検定を主催するJDLAのコミュニティ「CDLE」に参加できます。G検定に合格した人のみが参加でき、過去の合格者との交流も可能です。
様々な情報交換や交流が日常的に行われ、イベントやハッカソン(エンジニアやプログラマーなどが集まってチームを結成し、短期間に集中的に開発作業を行うイベント)なども開催されています。
G検定よりも専門的な試験「E資格」を取得するための情報交換をしたり、ディープラーニングを使える人・作れる人に出会うことで人間関係の幅を広げたりできます。
参考:CDLEの詳細ページ
6.G検定資格の需要
G検定を取得する3つのメリット『2. 就活・転職に役立つ』でも紹介した通り、現在日本ではAI人材の不足が叫ばれています。そのため、いち早く資格を獲得することで就活・転職活動市場で周りに差をつけられる可能性が高まります。
G検定はAI・ディープラーニングに特化した資格であるため、これから幅広い業界においてDXが進む中で必ず必要になる知識です。自分のキャリアを構築して行く中で周りより優位に進みやすくする手助けになるといえるでしょう。
今後AI業界で活躍したいと考えている方は、はじめの一歩としてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
7.G検定の勉強・対策方法
ここからはG検定の勉強・対策方法についてお話しします。
合格に必要な勉強時間とは?
G検定合格に必要な勉強時間は約30時間です。1日1時間コンスタントに勉強していけば約1か月ほどで合格可能レベルに辿り着く計算です。ただし、今までAI・ディープラーニングに触れてこなかった初学者にとってはより多くの勉強時間が必要でしょう。
独学で勉強する方法
独学で勉強する場合、どのように勉強すれば効率良く合格に近づくことができるでしょうか。この章では具体的な勉強方法について紹介していきます。
JDLAの公式テキストを活用する
本番の試験問題を理解する方法の1つとして、G検定の試験運営団体であるJDLAが監修した公式テキストで勉強することがおすすめです。
本書は、2021年7月実施された試験前に改訂された新シラバスに完全準拠しており、G検定の試験内容を正確に理解することができます。また、第2版より章末問題が大増量されており、分かりやすい解説も付いています。試験問題の演習のためだけでなく、ディープラーニングに関する入門書としても最適な参考書となっているのが特徴です。
出典:深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
G検定対策問題集を活用する
効率良く知識を習得する方法の1つとして、問題を解いていくことで傾向や問題内容を学ぶことが挙げられます。インプットとアウトプットを繰り返し行うことで自分の中で知識が整理されるでしょう。
新シラバスに完全対応したG検定の対策問題集は、スキルアップAI株式会社の講師が著者として提供しています。第2版では、最新のシラバスに沿った問題のほか、XAI、DX、自然言語処理、音声認識、強化学習などの最新技術に関する設問にも対応しており、G検定対策として持っておくべき1冊です。
出典:徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第2版
G検定対策アプリを活用する
スキマ時間を活用して学習できる対策アプリもおすすめです。
G検定の最新シラバスに対応したオリジナル問題を320問収録しており、通勤時間や待ち時間などでインプットとアウトプットを繰り返し行えるのがメリットです。常に学習の進捗率が確認できたり、各カテゴリごとの理解度をチェックし、得意分野・苦手分野をすぐに把握することができるのも特徴です。
講座を受講して対策する方法
初めてAI・ディープラーニングに触れる方は、講座を受講する方法もおすすめです。プロが解説する講義を受講して体系的に網羅することで大枠を捉えやすくなり、より理解を深められます。
以下の動画では、実際にG検定に合格された方に勉強方法を伺いました。合格の秘訣についてもお話しいただいたので、これからG検定の勉強を始める方はぜひチェックしてみてください。
8.G検定のおすすめ講座紹介
最後にG検定が対策できるおすすめの講座を紹介します。
G検定の勉強を進めて行く中で、AIをビジネスに活用するために重要となるAIの基礎やG検定に合格するための知識を学んでいくことで、この資格をより有意義に活用できる人材になれるといえます。
将来的にジェネラリストを目指す方におすすめしたいのがスキルアップAIの「AIジェネラリスト基礎講座」です。
本講座では、
- AIのビジネス適用の勘所
- AIができる事・できない事を説明する力
- AIを業務に適用するための提案力
- G検定に合格するレベルの知識
など、今後キャリア形成をする上で必要な考え方や知識の習得が可能です。本講座の最大の特長は、G検定合格に必要な知識が網羅的に習得できることです。
カリキュラムは「本編」と「G検定対策編」の2部構成となっており、「G検定対策編」では各章がキーワード説明、問題、解説で構成され、G検定合格に向けて徹底的な試験対策ができます。また、最近の出題傾向を押さえたカリキュラム内容で、試験本番にも対応できるようになっています。
9.G検定に関するよくある質問
G検定に関して、よくある質問をまとめました。
G検定は仕事に役立ちますか?
もちろん役立ちます。G検定は仕事でAIの知識を活かし、AI・ディープラーニングに関する知識・スキルを得るためだけのものではなく、職場でAI理解の必要性を感じ、適切な知識や活用方針を決定して事業応用する能力を得るための資格です。G検定に合格することで幅広い職種において活用できるようになります。
G検定の合格率はどのくらいですか?
例年、全体の合格者は平均60〜70%程度です。
最新の2022#3では受験者の66.17%にあたる4,964名が合格しています。
講座を受けた方がいいですか?
G検定の学習にあたって、講座の受講をおすすめします。講座を受けることでディープラーニングに精通した講師から体系的にAI・ディープラーニングについて学ぶことができ、自身で知識が足りていなかった分野について理解を深められます。G検定を合格するためには幅広い知識が問われるため、講座を受講することで、学習の穴をいち早く埋めることが可能です。
10.まとめ
G検定とは、ディープラーニングの基礎知識を有しているかを認定するジェネラリスト向けの資格です。取得後は、自身のスキルアップに繋がるだけでなく、転職活動の際に役立つ可能性が高いです。今後AIの重要性はますます高まるため、それに比例してG検定の価値も高まっていくでしょう。
スキルアップAIでは、G検定対策ができる「AIジェネラリスト基礎講座」を開講しています。G検定合格に必要な知識を凝縮しているため、G検定合格に向け、徹底した試験対策が可能です。知識と実践スキルが定着するように構成されているので、資格取得はもちろん、実務で使えるスキルも身につけられます。
AIジェネラリスト基礎講座(G検定対応)【無料トライアルあり】
主体的に学べるだけでなく、習得した知識を実務で活用するスキルが身につくため、資格取得を通じて適切な知識や活用方針を決定して事業応用する自分の姿を想像しやすいです。
現在、講座の一部(約2時間相当分)をトライアル版として無料で視聴することができます。講座の雰囲気やわかりやすさを体験できますので、ぜひお試しください。
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