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E資格とG検定の違い|目的や受験条件、難易度、メリットなどを分かりやすく紹介
G検定とE資格の違いを項目別に解説
主催団体
G検定とE資格の主催団体は、どちらも一般社団法人ディープラーニング協会(JDLA)です。JDLAは、「ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上」を目指すため、2017年に東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授により設立されました。G検定とE資格の2つの資格試験を主催し、AIやディープラーニングを活用できる人材育成にも力を入れています。
対象者、目的
G検定とE資格は、どちらもディープラーニング活用のためのリテラシーを有しているかを認定する資格ですが、対象者や目的に違いがあります。
G検定はジェネラリスト向けの資格であり、ディープラーニングの基礎知識をビジネスに応用できるようになることが目的です。そのため、管理職層やコンサルタント向けなども含め、多くのビジネスパーソンに必要な資格といえます。
一方、E資格はエンジニア向けの資格であり、AIエンジニアとしてディープラーニングを実装できる能力を業務に活用できるようになることが目的です。そのため、E資格はG検定よりも技術色が強い内容が問われます。
受験資格
G検定に受験資格はありません。どなたでも受験できます。
一方、E資格を受験するためには、JDLA認定プログラムを過去2年以内に修了していることが必須条件となります。JDLA認定プログラムとは、民間企業が開催する講座の中から、JDLAが認定した講座です。この認定プログラムを修了することで、E資格の受験資格を得ることができます。
試験概要(受験料・試験時間・会場など)
G検定とE資格の試験概要について表で違いを紹介します。
G検定 | E資格 | |
---|---|---|
受験資格 | なし | あり |
試験時間 | 120分 | 120分 |
問題数 | 200問程度 | 100問程度 |
出題形式 | IBT、多肢選択式 | CBT、多肢選択式 |
試験会場 | オンライン実施(自宅受験) | 各地の指定試験会場 |
受験費用 | 一般:13,200円(税込) 学生:5,500円(税込) |
一般:33,000円(税込) 学生:22,000円(税込) 会員:27,500円(税込) |
G検定は会場に行かなくても、自宅などの好きな場所でオンライン受験できますが、E資格は会場に行って受験しなければなりません。
また、同じ試験時間に対して、E資格はプログラミングや数学に関する知識など、解答に時間がかかる問題が多く出題されるため問題数は少なくなります。
難易度
G検定は、AIやディープラーニングに関する幅広い知識が求められます。機械学習やディープラーニングの基礎知識に加え、AIの歴史や法律・倫理、数学などさまざまな問題が出題されます。合格率は6~7割程度となっており、しっかりと学習すれば比較的取得しやすいでしょう。
E資格はエンジニア向けの資格のため、プログラミング言語のPythonを活用した開発に関する問題など、試験の内容はより専門的です。合格率はG検定と同じく6~7割程度です。JDLAが認定するプログラムを受験して修了することが受験資格になっており、ある程度の知識と経験をもった受験者も多いことから、比較的難易度が高い資格といわれています。
以下は、各試験の受験者数と合格者数および合格率です。
・G検定
開催回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021 #1 | 6,062 | 3,866 | 63.77% |
2021 #2 | 7,450 | 4,582 | 61.50% |
2021 #3 | 7,399 | 4,769 | 64.45% |
2022 #1 | 6,760 | 4,198 | 62.10% |
2022 #2 | 6,398 | 3,917 | 61.22% |
2022 #3 | 7,502 | 4,964 | 66.17% |
2023 #1 | 7,150 | 4,705 | 65.80% |
2023 #2 | 3,052 | 2,075 | 67.99% |
2023 #3 | 4,518 | 3,106 | 68.75% |
※2021年以降の推移を抜粋して記載しています。
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「「2023年 第3回 G検定」開催結果を発表(4,518名が受験し、3,106名が合格)」より引用し作成
・E資格
開催回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018 | 337 | 234 | 69.44% |
2019 #1 | 387 | 245 | 63.31% |
2019 #2 | 696 | 472 | 67.82% |
2020 #1 | 1042 | 709 | 68.04% |
2021 #1 | 1688 | 1324 | 78.44% |
2021 #2 | 1170 | 872 | 74.53% |
2022 #1 | 1327 | 982 | 74.00% |
2022 #2 | 897 | 644 | 71.79% |
2023 #1 | 1112 | 807 | 72.57% |
出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「「E資格(エンジニア資格)2023#1」結果発表(1,112名が受験し、807名が合格)」より引用し作成
G検定を取得する3つのメリット
ここでは、G検定を取得するメリットを3つ紹介します。
1. AI・ディープラーニングのリテラシーを保有している証明になる
G検定を取得する最大のメリットは、AI・ディープラーニングのリテラシーを保有している証明ができることです。G検定では、AIの定義や手法、仕組み、法律、実際のビジネス活用例などさまざまな問題が問われます。取得過程で網羅的にAIやディープラーニングを学ぶことで、一定のAIリテラシーを身につけられ、取得すればその証明になります。
2. IT領域での就職・転職に活かせる
近年、AI人材やDX人材の需要が高まってきています。G検定を保有していると、AIに関する幅広い知識を身に付けている証明になるため、就活・転職活動でも企業に能力をアピールでき、優遇される可能性が高まります。
3. AIのビジネス活用をイメージできるようになる
G検定では、実際のビジネス活用例に関する問題も出題されます。学習の段階で事例集にも触れるため、AI活用を考える際に必要な考え方を学び、ビジネスで実際にどのように活用するかを想定したり提案したりできるようになります。
G検定についてより詳しく知りたい方、受験を考えている方は、以下の記事を参考にしてください。
E資格を取得する3つのメリット
ここでは、E資格を取得するメリットを3つ紹介します。
1. エンジニアとしてAI・ディープラーニングの実装力が養われる
E資格では、実際にディープラーニングを実装し、システムを構築するスキルが求められます。そのため、知識だけではなく、AIエンジニアに必要なディープラーニングの実装力も身につき、実際のAI開発により特化した知識を養えます。
2. AIエンジニアの転職市場で有利になる
近年、AI人材不足でAIエンジニアの価値は上がっています。E資格はAI・ディープラーニングの深い知識や実装力を証明できる資格です。E資格を持っていることで自身の技術レベルを示すことができ、就職活動や転職活動に役立つでしょう
3.名刺にE資格のロゴを入れられる
E資格取得者は、E資格合格のロゴを名刺に追加できます。そのため、取引先と名刺交換をする際に、AIエンジニアとしての専門スキルを有していることを証明できます。
E資格についてより詳しく知りたい方、取得を考えている方は、以下の記事を参考にしてください。
G検定の取得がおすすめな人
G検定は、AI・ディープラーニングの知識を体系的に学んでビジネスに活用したい人、職場でAIについて理解の必要性を感じ始めた人におすすめです。G検定はデジタルリテラシー協会が定義する「Di Lite」にも含まれ、すべてのビジネスパーソンが共通して身につけるべき資格の1つといわれています。
AI/DXコンサルタントやAIプランナーなどの職種は、G検定の知識を活かせるケースが多いので取得しておくと良いでしょう。また、AIエンジニアを目指して最初の一歩を踏み出したい方は、まずはG検定を取得することをおすすめします。
以下の動画では、実際にG検定を取得された方に、取得したメリットや勉強法などを伺いました。G検定に興味がある方は、こちらもぜひチェックしてみてください。
E資格の取得がおすすめな人
E資格は、AI業界でエンジニアとして専門的に活躍することを希望する人におすすめの資格です。機械学習エンジニア、データサイエンティスト、データアナリストなどの職種はE資格を取得している求職者を優遇するケースが増えてきていることもあり、就職活動や転職活動に活かせるでしょう。
まとめ
本ブログでは、G検定とE資格の違いについて項目別に解説しました。今後AIの重要性はますます高まるため、G検定やE資格の価値も高まっていく可能性が高いです。ディープラーニングに関する幅広い知識を身につけたい方、AI業界で活躍を目指す方は、それぞれの資格の違いについて理解し、ぜひ資格取得を目指してみてください。
中には、独学で資格取得を目指す方もいると思います。もちろん独学でも取得できますが、難易度が高いためなかなか大変です。そこでおすすめなのが、スキルアップAIが実施しているオンライン講座です。
G検定とE資格それぞれで講座を用意しており、どちらも充実した学習コンテンツと経験豊富な講師によるフォローが魅力です。一人で学習を進めるのが不安な方も、最後まで挫折せず学習を続けられるでしょう。
また、E資格は受験するためにJDLA認定プログラムの受講が必須ですが、本講座はもちろん対応しています。どちらも無料トライアルを実施しているので、まずはお気軽にお試しください。
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