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さまざまな異常検知の技術を体系的に学び、問題設定や基本的な考え方を習得するまで【異常検知講座体験記】
1.はじめに
こんにちは。スキルアップAIの野口です。
近年、数理最適化や機械学習の発展は凄まじく、数々の応用事例が報告されています。中でも「異常検知」の応用事例は、生産ライン、システム運用、セキュリティ、マーケティングなど多岐にわたります。
本ブログでは、多くの現場で求められる異常検知について実践的に学べる「現場で使える異常検知基礎講座」(以下、本講座) について、実際に受講した感想を交えて、受講レポートをお伝えします。
まず異常検知について体系的に知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
※本記事の内容は個人で受講した感想に基づいて記載しています。
2.受講のきっかけ
私は現在、画像認識における深層学習モデルの開発研究をしています。関連研究の中には画像認識における異常検知を扱った研究があります。しかし、現在まで異常検知について体系的に学ぶ機会はなく、異常検知にはさまざまな応用事例があること、事例に応じて適用できる手法も多岐にわたるという程度の知識しかありませんでした。そのため「どのような手法がどの場面で効果を発揮するのか知りたい」と思い、今回受講することを決めました。
本講座のカリキュラムは以下の通りです。各カリキュラムのタイトルからも、場面に応じたさまざまな異常検知を取り扱っていることが分かります。
- Day1:異常検知入門
- Day2:入力のみのデータの異常検知
- Day3:入力と出力があるデータの異常検知、時系列データの異常検知
- Day4:深層学習による異常検知
普段私は深層学習を中心に研究しているので、異常検知を学ぶ上で必要知識となるDay1〜3で深層学習以外の技術を学べる点も受講の決め手になりました。実際、想定を上回るさまざまな技術を学ぶことができました。具体的には以下のような技術を学ぶことができます。
3.さまざまな異常検知技術を体系的に学べる
Day1では、異常検知の基本的な考え方について学びました。異常検知の難しさ、異常検知の問題設定、異常度の考え方など、Day2以降に通じる異常検知を体系的に学ぶことができます。
異常検知の技術は多岐に渡るため、一つひとつを独立的に学ぶことは難しいです。そのため、似たアイディアから生まれた技術どうしを関連して覚えたり、それらの技術がどの場面で使えるのか併せて学んだりすることが望ましいと感じました。
例えば、講義で扱うスライドでは、データ形式に応じた異常検知の技術や異常度の考え方がまとめられています。似たアイディアから生まれた技術を関連づけながら学べた上に、復習にも役立ちました。
4.複雑な技術も分かりやすく理解できる
本講座では、異常検知技術について具体→抽象の流れで説明されていました。そのため、具体例を紐解いていく過程で複雑な技術を学べ、わかりやすく理解することができました。
例えば私の場合、ガウス過程回帰(ノイズも考慮して説明変数から目的変数を推定する技術)は複雑な技術だと感じていました。複雑だと感じていた理由は、ガウス過程回帰が複雑な数式を追って理解する必要がある技術だと思っていたからです。そのため、異常検知の手法としてガウス過程回帰を説明されても理解できるか正直不安でした。
しかし、実際は想定と異なりました。まず初学者が理解に躓きやすい箇所と具体例から説明が始まり、徐々に詳しく技術の中身を見ていく流れで解説がされていたため、複雑な技術だと感じていたガウス過程回帰についてわかりやすく理解ができました。
5.理解度シートや質問シートから講座内容を深堀りできる
受講中に理解できたと思えても、後で人に説明しようとしたり、手法を実装しようと試みたとき、上手くいかない場合があるかもしれません。そのような理解の漏れを防ぐために理解度シートが役立ちました。
私の場合、Day2の最後に学ぶ「疎構造学習による異常検知」に関しては、初めて触れる考え方や用語ばかりでした。Day2の受講直後はきちんと理解できているのか怪しい部分がたくさんありましたが、理解度シートに答えられるまで資料と動画を見直すことで、内容をきちんと理解することができました。
図:「疎構造学習による異常検知」の理解度シートから抜粋
受講期間中は、チャットで何度でも講師に質問ができます。さらに質問シートには受講生の質問と講師の回答が記録されるため、自身の質問に限らず、他の受講者の質問に対する講師の回答も見ることができます。自分ひとりでは思いもしなかった観点からの質問もあり、さらなる知識の定着につながりました。
また、講座内で説明された手法の発展的な内容や実装時に気をつけるべき点、具体的な問題設定における技術の選定方法など、現場で使える実践的な知識を身につけることができました。
6.まとめ
本講座を受講して、異常検知の「どのような手法がどの場面で効果を発揮するのか」、また、異常検知の問題設定や基本的な考え方を習得できました。
これにより、これまで別々に把握していた異常検知の技術を体系的に学び直すことができ、さらに本講座の具体的な解説やNotebookの実装によって、複雑な技術もわかりやすく理解することができました。講座の資料に限らず理解度シートや質問シートを活用することで、より確実な知識の定着につなげることができました。
今後課題解決をする際には、異常検知を取り入れた課題設定を試み、新しいアプローチでの解決を目指していきたいです。
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