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時系列データとは?から学び、現場で使える解析方法を習得するまで【時系列解析講座体験レポート】
1.はじめに
こんにちは、スキルアップAIの尾関です。
突然ですが、皆さんは将来どのようなAIが登場したら胸が躍りますか?
近年、第3次AIブームにともない、「自動運転AI」、「会話AI」、「医療AI」などさまざまなAIが注目されています。その中でも経済や株価、災害のような不明確な未来の事象を、高い精度で予測できるAIはないかな?と考える方もいるのではないでしょうか。
近年、こういった不明確な未来を高い精度で予測するAIが登場しています。
例えば、天気予報です。普段よく目にする天気予報は、90%以上という高い確率での予測が可能です。高精度での予測ができる背景にはAI(機械学習)の発展が大きく起因しています。
参考:https://weathernews.jp/about_forecast/
天気予報を始めとした未来予測には、時系列データが欠かせません。時系列データとは、「気温」や「株価」のように、時間的な変化により観測されるデータを指し、私たちの身の回りにはこういった時系列データが数多く存在しています。
そこで今回は、時系列データの特性から時系列モデリングによる応用実装まで、時系列解析を行うための基礎知識を横断的に学べる「現場で使える時系列解析講座」について、実際に受講した感想を交えた体験レポートを、3つの要点に沿ってお伝えいたします。
まず時系列解析について体系的に知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
※本記事の内容は個人で受講した感想に基づいて記載しています。
2.受講のきっかけ
現在、私は「音波通信×AI」をテーマに地元企業との共同研究に携わっています。私が研究で扱う音声データは、環境雑音や反響などの外乱により歪(ひずみ)が生じやすい時系列データです。
時系列データの特性やモデルの設計方法についての知識を得ることができれば、外乱による歪に対処するなどより適切に音声データを扱えると思い、本講座の受講を決意しました。
3.時系列データに初めて触れる方でも理解できるようになる
本講座のカリキュラムは「ゼロから始める時系列解析」といえるほどボリュームがあります。
カリキュラムは全7章あり、各章ごとに座学とノートブック演習が用意されています。座学を通して知識をインプットし、得た知識を演習でアウトプットすることで、知識の定着につながりました。カリキュラム修了後は、より実践的な「通し課題」が設定されており、実務で使える時系列解析技術を身に付けられるようになっています。
受講を通じて、時系列解析に関する知識だけではなく、プログラムとしての実装方法までを理解できるようになりました。
本講座の最大の魅力は、講義全体を通して講師の説明が丁寧でわかりやすいことです。「時系列解析とは何か」という基礎から解説しているため、今まで時系列解析について触れる機会がなかった私でもすんなりと理解することができました。
図1 時系列解析の説明
また、時系列データの前処理の方法についても、非常にイメージしやすいものでした。特に、時系列データの特性や、欠損値や外れ値などに対する前処理、移動平均などによる時系列のトレンド分析など、時系列データ処理の一連の流れを学び、基礎知識を固めることができました。
Kaggle(世界最大のデータサイエンスコンペティションプラットフォーム)などのコンペは、時系列データを扱う問題が多く出題されるため、時系列データに関する理解を深めるよい機会です。講義で学んだことをアウトプットし、定着させるためにも、今度挑戦してみようと思います。
4.目的にあったモデルの設計方法が分かる
本講座で1番の学びは「目的にあったモデルの設計方法」が分かるようになったことです。
第1章の「時系列解析の進め方」では、時系列データの特性に応じたモデルの設計方法が紹介されています。また、第2章から第4章にかけて、基本的な機械学習モデルや自己回帰系モデル、状態空間モデルのアルゴリズムや数式に関する具体的な解説が行われます。
時系列解析を行う上で、使用するモデルの演算方法やその特性の違いについて理解していることは非常に重要です。
今回、「どの時系列データ」に「どのモデルを選択」し、「どのようにモデルを設計」するかという一連の時系列解析モデリングのスキルを身につけることができました。これらは時系列解析の開発・研究をしたいと考えていた私にとって、今後強みになる貴重なスキルです。
私自身、共同研究をしていく上で、現実社会の問題や課題を解決するためのAIを設計するとなったとき、どのようなモデルを組み、プロジェクトを進めていけばよいのかまったく分からず苦労した経験があります。本講座を受講したことで、今後の研究活動で効率的にAIの設計や実験を行うことができると感じています。
図2 自己回帰系モデルについて
5.状態空間モデルやベイズ推定、MCMCに関する理解が深まる
第5章から第6章では、ベイズ推定や、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)の理論について学びました。
私は、今まで確率や数式を読み解くことに対して苦手意識がありました。しかし、本講座を受講したことにより、各数式の意味や処理の流れをイメージしやすくなり、苦手意識をなくすことができました。
私のように確率や数式に対して苦手意識をお持ちの方や、時系列解析における理論的な部分を1から学び直したいという方にもおすすめしたい講座です。
図3 ベイズ推定と時系列解析
図4 MCMCの基本的な考え方
6.まとめ
「現場で使える時系列解析講座」の受講レポートとして、3つの要点に絞り実際受講した感想や、講座の魅力をご紹介しました。
私は今まで、研究で音データを扱った機械学習モデル以外は扱ったことがありませんでしたが、改めて時系列解析に対する学識を深め、気づきや学びを振り返ることができました。
本ブログが、少しでも皆さんの参考になると幸いです。これから時系列データを用いたプロジェクトの開発や研究をしたいと考えている方は、ぜひ講座ページをチェックしてみてください。
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