最終更新日:
データ分析スキル向上に有効な研修の紹介 スキルの必要性や最適な研修の選定方法も解説
「データドリブン経営」「データ活用によるDX」など、データ分析が重要視される現代のビジネスにおいて、従業員のデータ分析スキルを向上させることは企業の競争力強化において必須ともいえます。企業として研修プログラムを用意することで、従業員のデータ分析スキル向上につながります。
この記事では、データ分析スキルの必要性や具体的に必要となるスキルや最適な研修プログラムを選ぶうえでのポイント、おすすめの研修企業について解説します。データ分析研修の概要や選び方を詳しく知りたい方や、従業員のデータ分析スキルを高めたいと考えている人事や研修担当者は必見です。
1. データ分析スキルの必要性
ビジネスにおけるデータ分析が重要度を増す中で、従業員のデータ分析スキルを高めていく必要性が高まっています。データの活用はビジネスと切っても切り離せない状況となっています。従業員がデータを理解し、分析できる能力は、競争力のある組織を作り上げるために不可欠です。
1-1.DXに求められるデータ分析
DXの推進という観点においてもデータ分析スキルが重要となります。DXとして工場の生産性向上を実現するにあたっても、設備の稼働データやプラントの運転データなどの分析が必要です。
経済産業省が「DX推進ガイドライン」にて定義しているDXの定義を以下のように5つに分解してみると、DXの最終目標は「ビジネスモデルを変革し、競争上の優位性を確立すること」だといえます。
ビジネスモデルを変革し、競争上の優位性確立を実現するためには、データの活用は必要不可欠です。上記の考えをもとに整理すると、データ分析はDXを実現するための手段のひとつであり、データ分析によって得られる知見はビジネスモデルの変革につながります。
加えて、データドリブン経営というキーワードに代表されるように、データに基づく意思決定を実現するためにも、データ分析のスキルが求められます。
なお、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)などが主体となって活動するデジタルリテラシー協議会では、スキルマップとして「Di-Lite」を提供していますので、参考にしてください。データ分析スキルは、同協会のスキルマップ(下図)において「数理・データサイエンス領域」で必要なスキルと定義されています。より詳細な情報は、各検定のサイトに掲載されていますので、あわせてチェックしてみてください。
出典:デジタルリテラシー協議会「Di-Lite啓発プロジェクトサイト【公式】」
1-2. データ分析スキルを高めるためには研修の活用も有効
データ活用を進める企業が増える中、課題となるのがデータ分析スキルを持った人材の確保です。データの集計・加工・分析などの取り組みにおいては、データの取り扱うためのスキルが必要となりますが、十分に人材を確保できていない企業が多いのも事実です。
専門性の高いデータ分析スキルを、個人の自発的な取り組みに依存して強化することには限界があります。自社従業員のデータ分析スキル向上を目指す場合、企業として従業員へスキルアップの機会を提供していく必要があります。
特にこれからDXを推進したいと考えている企業や、DXを進めたが成果が見えてこない課題をお持ちの企業は、オンライン学習プラットフォームや対面などでの研修がおすすめです。
近年ではリスキリングとして自社従業員のスキル転換を目指す動きも広がっています。これまでデータ分析に携わってこなかった従業員であっても、新たにスキルを身につけ、戦力として活躍してもらうことは十分に可能です。データ分析スキルを高めるための研修を実施することで、デジタル時代における企業の競争力強化にもつながっていきます。
2. 研修で身に付けたいデータ活用・分析スキルとは
データ分析などのデータ活用を行うために、研修を通じてどのようなスキルを身に付けるべきなのでしょうか。
統計に関する知識
まず重要となるのが統計に関する知識です。データ分析は基本的に統計に基づき実施されます。業務・事業の構造、分析の目的を理解し、適切な手法でデータを利用・分析するために、統計に関する知識は必須スキルといえます。
たとえば、平均と中央値の違いや分散・標準偏差といった基本的な要素から、多変量データ解析や時系列データ分析、仮設検定の方法など、高度なスキルまでを身に付けることで、自社のデータを分析するためのスキルを獲得できます。
AIに関する知識
さらに高度な分析を行う場合、AIに関する知識も必要となります。具体的には、機械学習の手法や各種ライブラリの利用方法、データの用意方法などを学習します。
AIの活用により、たとえばアンケート結果から知識を抽出したり、画像解析により製品・部品の不良品を自動で判定したりといった取り組みを実現することができます。
また、データ活用においては、最近の動向として生成AIの技術動向や活用事例、データ流出におけるモラルなども必要とされています。
ただし、AIに関する知識は専門性が高いものであり、高度な数学スキルやプログラミング言語、データベースの活用に関する知識などさまざまな能力が求められます。獲得の難易度は高いものであり、自社従業員の中でも数学などの素養があるメンバーに限定して研修を実施することも検討するべきです。
分析ツールに関する知識
分析を行うためには、知識だけではなく分析のためのツールを使いこなせる必要もあります。Excelを用いた統計分析といった基本的な方法から、BIツールの活用、プログラミングスキルなど高度なものまで、必要なレベルに応じてツールの利用方法を習得することが不可欠です。
データ活用戦略やデータ活用基盤設計スキル
データ活用を最大にするためには、データ分析を行うための技術的スキルだけでなく、組織的課題や顧客ニーズ等を踏まえた戦略・企画を行うスキルや、データ基盤の整備・設計まで行える人材を育成する必要があります。
ちなみに、経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が設定した「デジタルスキル標準」では、DXを推進するうえで必要な人材とスキルがまとめられています。すべてのビジネスパーソンに向けた「DXリテラシー標準」と、DXを実際に推進する人材に向けた「DX推進スキル標準」の2構成で、それぞれの対象者が身につけるべき知識やスキル、そして人材の育成方法や学習項目の指針が示されています。
出典:経済産業省「デジタルスキル標準」
データ活用のためのより詳細なスキルや学習項目がまとめられていますので、確認しておくとよいでしょう。なお、DXリテラシー標準については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
DXリテラシー標準とは?重要性、社員のDXリテラシーを高める方法を詳しく解説
3.最適なデータ分析研修の選び方
データ分析研修のニーズは高く、各社がさまざまな研修サービスを提供しています。その中で、どのように自社に合った研修委託先を選ぶべきなのでしょうか。
データ分析の研修先を選ぶ際のポイントについて紹介します。
3-1.さまざまなスキルやレベルに対応している(体系的に学ぶことができる)
先述したとおり、データ活用を最大限に行うには幅広いスキルが求められます。しかし、従業員のスキルレベルや経験値は異なることがほとんどです。そのため、研修を実施する際は、従業員のスキルや経験レベル、階層に合わせたカリキュラム設計が重要です。難易度・分野ともに幅広い学習コンテンツを備えた企業の研修がおすすめです。
例えば、以下のように現在必要なスキルから将来的に必要なスキルまでを計画して実施することで、従業員は自身のスキルを段階的に向上させることができます。
- 全従業員に受講を推奨する初歩的な内容
- 一定のスキルを備えた人材向けの応用的な内容
- データサイエンティストを目指す人材向けの高度な内容
3-2.実際の現場活用を見据えた研修内容である
効果的なデータ分析研修は、実際の現場で活用できるスキルを身につけることを重視しています。理論や知識だけでなく、実務での活用を見据えた内容が提供されることで、従業員は学んだスキルを即座に実践に役立てることができます。
より実践レベルの知識インプットや実例にもとづいたワーク、自社データを用いたハンズオンなどを通じた研修によって、実務で使えるスキルを磨けるという点も重要なポイントです。
3-3.適切な学習体系・プロセスで実施される
適切な学習体系やプロセスに基づいて実施されているかどうかも研修を実施するうえで重要です。効率的に学習できることは、日々業務を行う社会人こそ意識するべき事項です。
従来、対面で実施されることが多かった研修ですが、近年ではオンラインでの実施や録画したコンテンツのアーカイブ配信など、さまざまな形態で提供されるようになりました。
たとえば、低コストで実施できる録画コンテンツでの研修は「全従業員に受講を推奨する初歩的な内容」で利用しつつ、より高度な研修やライブでのオンライン研修や対面での研修などで行うといった使い分けもできます。
3-4.実務経験豊富な講師が指導している
実務経験豊富な講師は、実践的な知識やノウハウをもっているため、受講生は実践的なスキルをより効果的に身につけることができます。しかし、実際には実務経験を有している講師は世の中には多くはありません。そのため、実際にトライアルなどの講座を見てみたり、講師の名前で講演動画を確認するなども必要になってきます。
信頼できる講師かどうかを見極めることで、実践的なアドバイスやリアルなケーススタディを通じて、実務でのデータ分析に必要なスキルを効果的に学ぶことができます。
4.おすすめのデータ分析研修3選
ここでは、データ分析研修を実施する企業の中からおすすめの研修を3選紹介します。
1.スキルアップAI(株式会社スキルアップNeXt)
スキルアップAIでは、DXやAI活用を進めていきたい企業に向けて、研修サービスを提供しています。実践レベルの知識インプットや実例に基づくワーク、自社データを用いたハンズオン形式での実践練習など、現場で活かすイメージを鮮明に持てる形式で研修メニューをご用意しています。
目的や課題内容に応じて最適な内容をご提案し、企業に合わせてカスタマイズも可能です。
2.株式会社ブレインパッド
ブレインパッド社は、データ活用人材の育成に幅広く対応しており、これまでデータサイエンティスト入門研修を累計90社、68,000名以上に提供した実績(2024年3月時点)があります。
レベルも基礎からスペシャリストまで幅広く提供しており、段階的に学ぶことが可能です。
3.株式会社富士通ラーニングメディア
株式会社富士通ラーニングメディアは、創業時より積み重ねてきた人材育成のノウハウを生かした学習支援システムを提供しています。「ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力」を学べるコースが用意されており、各スキルやレベルに応じて受講することが可能です。
5.まとめ
この記事では、データ分析スキルの必要性や具体的に必要となるスキル、研修プログラムの選び方、おすすめのデータ分析研修について解説しました。
スキルアップAIが提供する「問題解決のためのデータ分析基礎講座」では、問題・課題を定義し、データ分析力で解決する方法を学べます。初心者でも理解できる内容ですのでぜひページを覗いてみてください。
まずは無料トライアルで講座の一部を視聴することも可能です。
三井住友海上火災保険株式会社様事例
これまで、スキルアップAIでは様々な企業へ研修サービスを提供してきました。たとえば、三井住友海上火災保険株式会社向けには、データドリブンな組織運営を目指すための研修面での支援も実施しております。
当社が提供する研修の詳細については、以下のリンクでもご紹介しております。よろしければご参照ください。
https://www.skillupai.com/private-training/recommended_course/#dx-seika
配信を希望される方はこちら
また、SNSでも様々なコンテンツをお届けしています。興味を持った方は是非チェックしてください♪
公開日: