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データ分析コンペとは?AI時代におけるデータサイエンティストの役割


近年、AI技術の急速な発展に伴い、データサイエンティストの需要が世界的に高まっています。そんな中、データサイエンティストのスキルアップやキャリア形成に役立つと注目されているのが「データ分析コンペ」です。
本記事では、データ分析コンペの概要から、開催側・参加者それぞれのメリット、国内外の有名なデータ分析コンペなどを詳しく解説します。
データ分析コンペとは
はじめに、「データ分析コンペ」とは何か、意味と基本的な流れや評価などについて解説します。
データ分析コンペの概要
データ分析コンペティション、略してデータ分析コンペとは、企業や団体が提供する課題に対し、参加者がデータ分析モデルの精度や機械学習などの技術を用いて解決策となるアイデアを競い合うイベントです。参加者は与えられた課題に対し、統計学や機械学習などの知識・技術を駆使してデータ分析を行い、その結果を提出します。
AI技術が進化し続ける現代において、データ分析コンペはデータサイエンティストが自身のスキルを磨き、最先端の技術に触れるための貴重な機会となっています。また企業側にとっても、優秀な人材の発掘や自社のデータ分析力を向上させるための有効な手段として注目されています。
主なデータ分析コンペプラットフォームについては後ほど詳しく紹介しますが、一例として世界最大級のデータ分析コンペプラットフォームである「Kaggle(カグル)」、日本最大級のデータ分析コンペプラットフォーム「SIGNATE(シグネイト)」など、さまざまな分野のデータ分析コンペが開催されています。参加者は初心者向けの練習問題から、高度な専門知識を要する本格的なコンペまで、幅広いレベルのコンペに参加することができます。
データ分析コンペ開催の目的
データ分析コンペが開催される主な目的としては、以下が挙げられます。これらは開催母体となる企業や団体、省庁などだけの目的ではなく、参加する全員の目的でありメリットとなり得るものです。
課題解決
企業や団体などが抱える具体的な課題を、外部(コンペ参加者)の多様な視点や高度な分析技術を活用することで解決できる
人材発掘
優秀なデータ分析人材を発掘し、採用や協業につなげる
技術力向上
参加者自身のデータ分析スキルや知識の向上、新たな技術の習得の促進が可能となる
コミュニティの形成
データ分析に関わる人々が集まり、交流し、知識やノウハウを共有するコミュニティを形成、横のつながりをもてるようにする
ブランディング
主催企業や団体のデータ分析への取り組みをアピールし、ブランドイメージの向上を図る
(参考)総務省:統計データ分析コンペティション
データ分析コンペの基本的な流れ
データ分析コンペの一般的な流れは以下のとおりです。

1.課題提示
主催者から分析対象となるデータセットと解決すべき課題、評価指標などが提示されます。
2.データ分析・モデル開発
参加者は与えられた学習データを用いて、課題を解決するための分析を行い、予測モデルなどを開発します。
3.結果予測
開発した学習モデルを活用して課題の予測を行います。
4.結果提出
得られた結果を、コンペ主催者の指定する方法で提出します。
5.評価
主催者は提出された結果を、事前に定められた評価指標に基づいて評価し、採点します。コンペ期間が終了した辞典でスコアを確定させ、上位者(または全体)順位を公表、表彰などを行います。
順位・賞・評価など
コンペの結果が発表され、上位入賞者には賞金や賞品が授与されることがあります。また、成果発表会などが開催されることもあります。
データ分析コンペの種類
主なデータ分析コンペの種類について解説します。どちらもデータサイエンスを学び、実力を試すための絶好の機会を提供しており、学びの深さや挑戦の楽しさを味わうことができる場となっています。
社内コンペと公募コンペにはそれぞれ異なるメリットがあるため、それぞれの目的に応じて適切なコンペ形式を選ぶことが重要です。
社内コンペ
社内コンペは、企業や組織内で行われるデータ分析のコンペティションです。この形式のコンペでは、自社の具体的な課題やデータを題材として、主に社員間・企業グループ間でデータ分析や予測モデルの精度を競います。
社内コンペの主な目的は、業務の効率化や社員のスキル向上、データ分析によりもたらされる新しい知見や課題の発見です。
特に、社内でデータを活用しきれていないと思われる課題を選び、その課題の解決をコンペ形式にすることで、社員同士または社員複数のチーム同士で競います。競い合うことでさまざまなアイデアが短期間に出され、最適解が導き出されやすくなります。
社内の専門家同士が意見を交わす場として、知識共有やチームワークの向上、社員個々の見識の強化にもつながることが期待できます。逆に本来はシステムなどの専門部門ではない社員から思いがけず素晴らしい解決策が提示されることもあり、人材の発掘にもつながります。
社内・企業グループ内でのコンペのため、外部に情報が漏れる心配がなく、ある程度実践的なデータを扱うことができるのもメリットの一つといえるでしょう。
公募コンペ
公募コンペは、世界中のデータサイエンティストやエンジニアが参加可能な、一般公開される形式のコンペティションです。企業、大学、団体などが資金を出してプラットフォームを選び、自団体の課題への予測精度をコンペティション形式で参加者に競わせ、最適なアイデアを募るものです。
公募コンペで選ばれる代表的なプラットフォームとしては、「Kaggle」や「SIGNATE」が挙げられます。
これらのコンペでは、主催者が提供するデータセットをもとに、参加者がアルゴリズムやモデルを開発し、その性能を競うことになります。また最初から企業同士が競い合う形式になっているコンペなどもあります。
公募コンペの目的は、多様な参加者から革新的なアイデアや技術を引き出すことです。コンペによって多岐にわたるテーマが扱われます。また同じコンペの中でレベルの違う複数のカップが開催されるものもあり、初心者にも参加しやすくなっているものもあります。
参加者にとっては自分たちの知見を公表し評価される場、新しいスキルを得られる勉強の場であると同時に、賞金を獲得する機会やポートフォリオを充実させる手段となる機会でもあります。また個人が所属する団体にとらわれず、新たなつながり(ネットワーク)の構築やコミュニティへの参加、データサイエンティスト仲間が作れるなど、コンペ参加を通じて人脈の広がりを得られる場としても人気です。
データ分析コンペに参加するメリット
データ分析コンペに参加する個人やチームは、目標や興味に応じてコンペに参加することで大きな成果を得ることができます。同時に開催する企業などの団体側にもメリットがあります。ここではデータ分析コンペに参加するメリットについて、それぞれの視点から解説します。
開催側のメリット
コンペを開催する企業・団体・省庁などは、現在の課題をテーマにすることでそれを解決する方法が短期間で、複数提案されるメリットがあります。また優秀な人材発掘、ブランディングも可能です。そのため企業などは自社が内包する課題・テーマでコンペを開催、プラットフォーマーに資金提供することが一般的です。
またプラットフォームを提供する企業・団体でも企業などが参加しやすい枠組みや学習プログラムなどを用意していることが増えています。
参加側のメリット
個人やチームで参加するデータ分析コンペでは、参加する側にも多くのメリットがあります。なお以下のメリットは、社内コンペなどにおいては社員のスキルを高める効果につながるため、ひいては開催側のメリットにもつながるといえるでしょう。
コンペで結果を出すことで実績と実力が可視化される
コンペでは、特定の課題に対する解決策を提示し、その結果がスコアや順位として明確に示されるため、自分の実力やスキルを客観的に評価することができます。
就職や転職に有利になる
データ分析や機械学習のコンペに参加することは、履歴書やポートフォリオの大きな強みになります。優秀な成績を収めることで、企業からのスカウトや就職・転職に有利になる可能性があります。
企業は実際のプロジェクトで培われた実践的なスキルや課題解決能力を重視するため、コンペでの経験や結果は採用過程で大いに評価されます。
特に、KaggleやSIGNATEなどの有名なコンペでの上位入賞は、転職やキャリアアップを目指す際の大きなアピールポイントとなるでしょう。
エンジニア同士の交流が生まれる
公募型のコンペでは、世界中から集まるデータサイエンティストやエンジニアと知識やアイデアを共有する機会が得られます。こうした交流は人的ネットワークの構築にもつながり、人脈が広がることで、次のプロジェクトやキャリア、新たな活躍のステージにつながる可能性があります。
実践的なスキルが向上する
コンペに参加することで、実際のデータを用いた分析を通じて、実践的なスキルを磨くことができます。様々なデータや課題に取り組むことで、データ分析に関する知識を深めることができます。
また他の参加者の分析手法やコードを参考にしたり、ディスカッションなどを通じて他の参加者のアプローチや考え方を学んだりすることでも実力を高めることにつながり、最新の技術やアイデアを学ぶことができます。
日本企業が主催するデータ分析コンペ・機械学習コンペ
ここでは、日本企業が主催する主なデータ分析コンペを紹介します。
Nishika
Nishikaは、Nishika株式会社が主催する日本発のデータ分析・機械学習コンペプラットフォームです。さまざまな業界の課題をテーマにしたデータ分析コンペを開催しています。
トレーニングコンペも開催されており、データ分析コンペについてあまり知らないという場合でも、AI技術を活用した実務的な課題に取り組むことができます。
マーケティング分析コンテスト(Marketing Analysis Contest)
マーケティング分析コンテストは、野村総合研究所が開催するマーケティングデータを活用した分析課題を中心にしたコンペです。
野村総合研究所が実施した消費者マーケティングに関する調査データを用い、データ分析を通じて革新的なビジネスの法則やマーケティング指標などを発見し、その成果を競うコンテストとされています。
具体的な目的としては、多角的な視点からの消費者購買要因のデータ分析を促進し、学術研究の進展と企業の市場分析能力の向上に貢献することとされています。顧客行動や売上予測を目的としたモデル構築が主なテーマであり、ビジネスの現場で役立つスキルを磨くことができます。
bitgrit
bitgritは、日本人が立ち上げたUAEを拠点とする国際的なデータサイエンスコミュニティを目指した企業名、また主催するプラットフォームです。
“ブロックチェーンで「AIの価値をブロックチェーンによって民主化する」”という理念のもと、データサイエンティストによるコミュニティ作りや、AIのネット上の取引市場(マーケットプレイス)の運営を行うスタートアップです。データ分析コンペにおいては、企業が開催する際のサポートを行います。
例えば企業がデータ分析コンペを実施する際、データサイエンティストの確保や魅力的な報酬の準備が課題となります。また「そもそもデータ分析コンペの着手方法が不明」という悩みに陥ることもあるでしょう。bitgritは優秀なデータサイエンティストのコミュニティを有しており、専門人材の紹介を可能としています。
さらに、実際のコンペ開催における課題設定やデータ準備など、必要な全プロセスをサポートし、企業の課題解決を支援します。
(参考)企業とデータサイエンティストをつなぐ、bitgritのコンペティション
ProbSpace
ProbSpaceは、株式会社ProbSpaceが運営する、初心者にも親しみやすいコンペが多く開催される日本のデータ分析プラットフォームです。実践的な課題から学習用課題まで、幅広いテーマが設定されており、参加者同士の交流を通じてスキルアップも期待できます。
ぐるぐる&atmaCup
atmaCupは、atma株式会社が主催するデータ分析初心者や学習者をターゲットにしたオンサイトデータ分析コンペです。「ぐるぐる」はatmaCupを開催するプラットフォームとなります。
「オンサイトデータコンペ」とは、参加者が実際に会場に集まり、与えられたデータに対し分析・予測の精度を競うイベントです。短時間決着型で、オンラインコンペよりも参加者のスキルが直接反映されやすいのが特徴。また、対面での実施のため、コンペ後に上位者に直接質問できる利点もあります。
学習目的の課題や実務的な課題がバランス良く用意されており、コンペ終了後には解説が提供されることもあるため、学びやすい環境です。
PHMC データチャレンジコンテスト
PHMCデータチャレンジコンテストは株式会社電通国際情報サービス主催の、製造業に所属するデータサイエンティスト向けのデータ分析コンペティションです(2021年に最終開催、現在は募集終了)。
日本の製造業におけるPHM(Prognostics and Health Management:故障予知・寿命予測)の導入促進と発展を目指したもので、具体的にはバッテリーの残存寿命予測分析がテーマでした。日本の製造業に勤務していれば、企業単位でも個人単位でも応募可能となっていました。
今後の開催は未定ですが、製造業の企業・またその社員は、開催された場合は参加することで新たな発見があるかもしれません。
スキルアップNeXt コンペティション
スキルアップAI コンペティションは、株式会社スキルアップNeXtが主催する、データサイエンティストや機械学習エンジニアのスキル向上を目的とした、企業向けのデータ分析・機械学習コンペティションサービスです。組織内のポテンシャルを最大限に活かし、ビジネス課題の解決やDX推進に貢献します。
AI/DX人材育成の先駆者であるスキルアップAIが監修した多彩なコンペティションが用意されています。

海外企業が主催するデータ分析・機械学習コンペ
海外の企業が主催する代表的なデータ分析コンペをいくつか紹介します。
Kaggle
「Kaggle」は、Googleが運営する世界最大級のデータ分析および機械学習プラットフォームです。数々のデータ分析コンペが開催されており、多くのデータサイエンティストやエンジニアにとってスキルを試す場となっています。
参加者は、提供されるデータセットに基づき、予測モデルやデータ分析手法を開発し、スコアを競います。
Kaggleではコンペだけでなく、データセットの共有やコードスニペットの提供、コンペ参加が初めてという初心者への教育用チュートリアルなども提供されており、学習と実践を同時に進めることが可能です。
Analytics Vidhya
Analytics Vidhyaは、主にインドを拠点とするデータ分析と機械学習のプラットフォームですが、主な対象はインドのデータサイエンティストで、Kaggleのようなコンペの提供に加え、トレーニングプログラムやウェブセミナー、業界事例の共有にも力を入れています。
AIcrowd
AIcrowdは、スイスを拠点とするAIcrowdが提供するプラットフォームで、多様な課題を持つデータ分析コンペを世界中で展開しています。
AIcrowdのコンペは、特にクリエイティブな解決策を必要とするものが多く、ゲームAIの開発や画像認識技術の精度向上を目的とするものが含まれます。開催者はOpenAI、Amazon、Uber、Microsoftなどの米国大手企業のほか、日本のSonyなども名前を連ねています。
コンペだけでなくデータサイエンティストコミュニティへの参加や過去のコンペの閲覧などが可能で、初心者から上級者まで幅広い参加者が競える環境が整っています。
データ分析コンペに挑戦するための学習法
データ分析コンペに参加するためには基礎的な知識がなければなりません。参加者は自分のペースでスキルを磨きながらデータ分析コンペに挑むことになります。
ここにある項目は個人向けの内容ではありますが、社内コンペを開催するなど開催側もこれらの視点をもち、データサイエンティストなどの専門職だけでなくデータ分析に興味のある社員が参加しやすいよう、あらかじめ学習プログラムや教材として準備しておくことをおすすめします。専門職だけでなく、通常は無関係に見える部署にも思わぬ優秀な素養のある人材がいる場合、発掘しやすくするためです。
初心者向けの学習法
初心者の方がデータ分析コンペに挑戦するには、まず基礎知識を習得することが重要です。
プログラミング言語の習得
PythonやRなどのデータ分析に適したプログラミング言語を学びます。オンラインコースの受講のほか、データ分析コンペのサイトにあるチュートリアルも役立ちます。
基礎統計とデータ分析の学習
統計の基本概念や、データの前処理方法を学びます。本や無料教材を利用すると良いでしょう。
簡単な課題に取り組む
KaggleやSHIGNATEなどで初心者向けの課題を選び、実際に分析してみましょう。結果を見て振り返ることで学習が深まります。
コミュニティで学ぶ
データサイエンスのフォーラムやSNSを利用して他の初心者と交流し、疑問点を解決しながら学ぶことも効果的です。
大学生向けの学習法
大学生(データサイエンスの履修を行っている者、その他自主学習を行う者など)は、基礎知識を活用してさらに深い学びを進めることが求められます。
アルゴリズムと機械学習の理解
教科書やオンラインコースを利用して、機械学習アルゴリズムの理論を学びます。数学的背景が理解できると、応用力が高まります。
研究ベースのプロジェクトを進める
大学の講義や研究室で学んだことを実際のデータ分析プロジェクトに応用します。これにより、実務に近い経験を積むことができます。
競技参加の計画を立てる
KaggleやSIGNATEなどのプラットフォームで公開されている課題に挑戦し、成果をポートフォリオにまとめます。履歴書に強みとして記載できるようにチャレンジしてみましょう。
ネットワークを広げる
自分の所属する研究室・ゼミだけでなくコンペのフォーラムで交流したり、関連イベントに参加することで、将来のキャリアにつながるネットワークを構築できます。データサイエンティストに向いている人材とは
データサイエンティストに向いている人材とは、以下のような特性やスキルを持っている場合が多いです。ただしあくまでも傾向であり、大切なことは興味関心があること、コツコツと自分のペースで努力ができることといえるでしょう。
現在、AIの活用やデータ分析ができる先端IT人材は限られており、採用が難しい状況が続いています。企業が優秀な人材を確保するには、外部からの採用やアウトソーシングだけでなく、自社での育成も視野に入れていくことが求められます。以下の内容を参考に人材育成の手掛かりとしてみましょう。
・論理的思考力がある人
データ分析のプロセスでは、多量の情報を整理し、そこから有益な結論を導き出すことが求められます。課題を分解し、論理的にアプローチできる能力が重要です。特に複雑なデータセットを扱う場合でも、混乱せずに問題解決の道筋を立てる力が必要です。
・好奇心が強く学ぶ意欲がある人
データサイエンスは急速に進化している分野であり、新しい技術や手法を常に学び続けることが求められます。新しいプログラミング言語やアルゴリズム、分析ツールに対する興味と挑戦心を持つ人が成功しやすいとされます。
・数学的および統計的なセンスがある人
データサイエンスは、統計学や数学をベースとする部分が多い傾向があります。確率論や線形代数などの基本的な知識を活かしながら、データの構造を深く理解できる能力があることが強みとなります。
・問題解決能力と創造力を兼ね備えている人
データサイエンティストは単なる分析者であるだけでなく、データを基にした問題解決の提案者でもあります。そのため、独創的なアイデアを生み出しながら、実用的な解決策を構築する力が求められます。
・コミュニケーションスキルがある人
分析結果を正確に伝える能力も非常に重要です。技術的な成果をわかりやすく説明し、非技術者と効果的にコミュニケーションができる人は、チーム内での連携や意思決定において非常に有益です。
また不明点などをそのままにせず、専門家に問いかけ解決し、チーム内で共有することも重要なコミュニケーションスキルといえるでしょう。これはプロジェクトマネージャーなど多くの部門・部署を連携して業務を進める立場の人にも必要な能力です。
・細かいところまで注意を払える人
データの処理や分析は、時に非常に細かい作業を伴います。例えば、欠損値の処理や異常値の確認などのデータクリーニング作業において、詳細に注意を払える人が重要です。
以上のような特徴が揃っている人は、データサイエンティストとしての資質を十分に持っていると言えます。しかし、何よりも大切なのは興味と情熱であることは言うまでもありません。
最後に、総務省ではデータサイエンティストについて以下のように定義しています。
“「データサイエンティスト」についての明確な定義は存在しないが、単に企業内/組織内のデータを集約して処理するだけの人材ではなく、そこから有用な知見を引き出した上で、企業の意思決定に活かすことのできる人材であると言われている。求められる能力としては、統計学に関する知識、分析ツールやデータ処理基盤を使いこなす能力、ビジネスを理解した上で問題を発見し解決できる能力、データ分析で得られた知見を他人に伝えるコミュニケーション能力、といったものが挙げられる。”
(出典)総務省:情報通信白書>26年版>データ活用を推進する上での課題>第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト>第4節 本格的なデータ活用社会の到来
まとめ
データ分析コンペは、データサイエンティストやそれを目指す人材がデータ分析のスキルを競うための場であり、AI時代において不可欠な存在です。参加者は実務的な課題に取り組みながら最新技術を学べるだけでなく、参加することでスキル向上やキャリアアップが期待できます。
コンペを開催する企業は優秀な人材の確保や自社のブランディングを目的としています。自社で解決が求められる課題をデータ分析コンペで競い合わせることで、多様性のある解決方法が見つかり、また人材獲得にもつながるメリットがあります。開催側と参加側双方のメリットになることから、DXを推進する企業においてはデータ分析コンペの開催や社員の参加を積極的に後押ししていくことが推奨されるでしょう。
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