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リスキリングで資格を選ぶ際のポイントやおすすめの資格を紹介
社会変化や技術変化が著しい現代の環境下で、あらゆる企業などの組織がDX推進を重要な課題としています。DX推進においてはデジタル技術(AI・データ分析・ITなど)が必要であり、これらのスキル獲得のためにリスキリングが重要視されています。
リスキリングを効果的に進めていくうえでは、学習分野に関連した資格の取得を目指すことが有効な手段となります。本記事では、リスキリングにおいて資格を活用することのメリットや資格を選ぶ際のポイント、注意点、DX推進に役立つおすすめの資格などについて解説します。
1. リスキリングにおいて資格を活用するメリット
はじめに、リスキリングにおいて資格を活用するメリットについて、以下の点を解説します。
- 学習のモチベーションを保ちやすい
- 昇進や転職の際に有利に働く可能性がある
- 企業にとっては離職率の低下や優秀な人材の獲得につながる
- 助成金や補助金制度を利用できる
学習のモチベーションを保ちやすい
リスキリングの際に資格取得を目指すメリットのひとつが、学習のモチベーションを保ちやすくなる点です。資格取得という明確な目標を設定することで、定められた期間のなかで学習に集中できる環境をつくれます。
また、資格は合否や点数などで学習成果を定量的に評価できるため、自分自身の成長を実感しやすいことも利点です。
昇進や転職の際に有利に働く可能性がある
資格を取得しておくことで、昇進や転職の際に有利に働く可能性があります。たとえば、昇進の要件として「応用情報技術者」などの資格取得を定めているIT企業も存在します。
また、将来的に別の業界や企業に転職したいと考えている場合も、資格を取得することで転職時のアピール材料にできるでしょう。
企業にとっては離職率の低下や優秀な人材の獲得につながる
リスキリングにおける資格取得は、個人だけではなく企業側にもメリットがあります。たとえば、従業員の資格取得をサポートすることで、従業員のモチベーションアップや帰属意識の向上につながります。
また、社内に有資格者の人数が増えれば対外的にもアピールでき、外部から優秀な人材を獲得する好循環も生まれるでしょう。
助成金や補助金制度を利用できる
リスキリングでの資格取得の際は、国や自治体などが設けている助成金や補助金制度を利用できる可能性があります。人材育成に多くの予算を割けない企業でも、助成金や補助金制度を利用することで十分に人材育成を行えるようになるでしょう。
助成金や補助金制度については、以下の記事でも詳しく解説しています。
2.リスキリングで資格を選ぶ際のポイント
リスキリングで資格を選ぶ際は、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 自分自身のキャリア目標や希望を明確にしたうえで、自分に合ったジャンルから選ぶ
- 将来的に高い需要が見込めるジャンルから選ぶ
- 自社の事業戦略や事業方針に合ったジャンルから選ぶ
自分自身のキャリア目標や希望を明確にしたうえで、自分に合ったジャンルから選ぶ
リスキリングの資格は、自分自身のキャリア目標や希望に合ったジャンルから選びましょう。資格によって難易度は異なるものの、資格取得に向けた学習には数カ月の期間がかかります。
モチベーションを維持しながら継続的に学習していくためには、自分が興味・関心を持てるジャンルを選定したり、キャリアアップ・年収アップなどの目標を明確化したりすることが重要です。
将来的に高い需要が見込めるジャンルから選ぶ
将来的に高い需要が見込めるジャンルから資格を選ぶこともポイントです。需要の拡大が期待できるジャンルの資格を取得することで、長期的に活躍できるチャンスが広がります。
たとえば、あらゆる組織においてDX推進が重要視されている近年において、AI・デジタル分野の資格取得は有効な手段といえるでしょう。
自社の事業戦略や事業方針に合ったジャンルから選ぶ
所属する企業の事業戦略や事業方針に合ったジャンルから選ぶことも重要です。自社が今後注力していくジャンルに関する資格を取得することで、社内で重要なポジションを任せてもらえるなど、活躍の機会が広がります。
また、企業からの奨励金なども期待できるため、費用面において有利となる可能性もあります。
3. DX推進に役立つおすすめの資格
ここでは、DX推進に役立つおすすめの資格を紹介します。
- ITパスポート
- 応用情報技術者試験
- G検定
- E資格
- 統計検定
- DS検定
- Python 3 エンジニア認定試験
- AWS認定資格
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識が問われる国家試験です。仕事や私生活においてITの利活用が当たり前となった現代では、ITリテラシーはすべての社会人が備えておくべき知識といえるでしょう。
ITパスポート試験では、経営全般やIT全般の幅広い基礎知識をはじめ、AI・ビッグデータなど最先端技術に関する知識なども出題されます。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「ITパスポート試験」
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、ワンランク上のITエンジニアを目指す人などを対象とした国家試験です。ITパスポートよりも高度で専門的なITの知識やスキルが問われます。
ネットワークやデータベースなどのテクノロジ系、プロジェクトマネジメントやシステム監査などのマネジメント系、経営戦略やシステム戦略などのストラテジ系の3つの分野から出題されます。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「応用情報技術者試験」
G検定
G検定は、AIやディープラーニング活用に関する基礎知識や能力を認定する資格です。一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施しています。
AIの急速な進歩を背景に、さまざまな業種の人がG検定を受験しています。企業のDX推進担当者が受験するケースも少なくありません。G検定を取得することで、AIの導入や事業での活用に必要なリテラシーを証明できるでしょう。
参考:一般社団法人日本ディープラーニング協会「G検定とは」
E資格
E資格とは、G検定と同様にAI・ディープラーニング分野のスキルを認定する資格です。G検定がビジネス向けの資格であるのに対し、E資格はエンジニア向けの資格です。
エンジニア向けである分、専門的な試験内容となっており、難易度はG検定よりも高くなります。E資格を取得することで、AI・ディープラーニング領域のエンジニアとしての専門的な技術力を証明できるでしょう。
参考:一般社団法人日本ディープラーニング協会「E資格とは」
統計検定
統計検定は、統計学に関する知識やスキルを証明する全国統一試験であり、一般財団法人 統計質保証推進協会が開催しています。2023年12月時点で10区分の資格があり、あらゆるレベルに対応しています。
基本的なデータ分析から統計学の数式的な問題まで幅広く出題されます。主にデータサイエンティストを対象とした試験であり、統計検定を取得することでデータ分析スキルなどを客観的にアピールできるでしょう。
参考:一般財団法人 統計質保証推進協会「統計検定」
DS検定
DS検定(データサイエンティスト検定)は、データサイエンティストを対象とした資格であり、データサイエンティストとしての基礎的な知識や能力が問われます。
DS検定に合格することで、基礎数学やデータ可視化などのデータサイエンス力、データ処理やSQLなどのデータエンジニアリング力、論理的思考などのビジネス力を有していることを証明できます。
参考:一般社団法人データサイエンティスト協会「DS検定® ★ データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」
Python 3 エンジニア認定試験
Python 3 エンジニア認定試験は、Pythonエンジニア育成推進協会が実施している試験であり、Pythonに関する知識やスキルが問われます。試験は、出題内容や難易度によって主に以下の区分に分かれています。
- Python 3 エンジニア認定基礎試験
- Python 3 エンジニア認定データ分析試験
- Python 3 エンジニア認定データ分析実践試験
- Python 3 エンジニア認定実践試験
たとえば、Python 3 エンジニア認定基礎試験はPythonの基礎的な文法が出題対象となり、初心者向けの試験です。Python 3 エンジニア認定データ分析実践試験は、Pythonを用いた実践的なデータ加工のテクニックを問う試験であり、2024年から新たに実施されます。
参考:Pythonエンジニア育成推進協会「Python試験・資格」
AWS認定資格
AWS認定資格は、AmazonのクラウドコンピューティングサービスであるAWS(Amazon Web Services)に関する知識やスキルを証明する資格です。試験は、ベーシック・アソシエイト・プロフェッショナルのようにレベル別に分類されており、受験者のスキルレベルや専門分野に応じて受験できます。
現在では多くのサービスや業務システムなどがAWS上で開発されているため、AWS認定資格の価値は今後も高まるでしょう。
参考:Amazon Web Services「AWS認定」
4. リスキリングで資格を取得する際の注意点
リスキリングで資格を取得する際は、以下の点に注意する必要があります。
- 資格の取得自体を目的化しないようにする
- 自分自身の将来のキャリアプランを計画したうえで、資格取得の計画を立てる
資格の取得自体を目的化しないようにする
資格を取得する際は、資格の取得自体が目的とならないように注意しましょう。資格は対象分野に関して体系的な知識を有していることを証明するための手段です。資格を取得したからといって、昇進や転職が成功する保証はありません。
実務経験をしっかりと積みながら、実務経験の補助的な位置づけとして資格を取得することが望ましいでしょう。
自分自身の将来のキャリアプランを計画したうえで、資格取得の計画を立てる
資格取得の計画を立てる際は、あらかじめ自分自身の将来のキャリアプランを計画しておきましょう。キャリアプランの全体像がない状態では、知名度や流行だけに影響された無計画な資格取得となってしまうリスクがあります。
たとえば、「まずはITパスポートでITリテラシーの基礎を固め、次は応用情報技術者で応用レベルに高める」など、計画性を持って学習を進めていくことが大切です。
5.まとめ
リスキリングにおいて資格を取得することで、従業員にとっては学習のモチベーション維持や市場価値の向上、企業にとっては離職率の低下や優秀な人材の獲得などのメリットが期待できます。
資格を選ぶ際は、自分自身のキャリア目標や将来性、自社の方向性などを考慮することがポイントです。リスキリングにおすすめの資格としては、ITパスポートやG検定、統計検定などが挙げられます。
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以下の記事では、リスキリングの主な企業事例について紹介しています。
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