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経済産業省のリスキリング事業とは？補助金の対象者や無料で受けられるサービスを紹介
近年、DXや働き方改革、国による大規模な投資などを背景に、リスキリングが大きな注目を集めています。そんな中、経済産業省は2023年にリスキリングを支援する事業を開始しました。
本記事では、経済産業省のリスキリング支援事業の具体的な内容や、その対象者や補助額などについて詳しく解説します。また、利用するメリットや注意点、おすすめのサービスについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
経済産業省のリスキリング事業とは？
経済産業省のリスキリング事業は、正式名称を「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」といいます。
これは、経済産業省が認定した事業者から、キャリア相談、リスキリング講座の受講、転職支援のサービスを一貫して受けられるというものです。リスキリング講座に関しては、最大で受講料（税別）の70％（上限56万円）の給付を受けられます。
本事業は、社会人のリスキリングの取り組みを強化するために開始されました。補助金の対象者や条件など、詳しい内容を以降で紹介していきます。
なお、リスキリングについて具体的に知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
受けられるサービス
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業で受けられるサービスは、主に以下の3つです。
- キャリア相談
- リスキリング
- 転職支援
この内、リスキリング講座を提供する企業が実施するキャリア相談と転職支援サービスは無料で受けられます。まずはキャリア相談を行い、そこでの内容を踏まえて、リスキリング講座を選択・受講します。リスキリング講座に関しては受講費用がかかりますが、政府の補助金によって最終的には安く受講することができます。
補助金の給付額
補助金の給付は、2段階に分かれています。まず、リスキリング講座の受講を修了したタイミングで、講座の受講費用（税別）の50%相当額（上限40万円）が補助されます。
そして、リスキリング講座の受講を経て実際に転職し、その後1年間継続的に転職先に就業すると、講座の受講費用（税別）の20%相当額（上限16万円）を追加で受け取れる仕組みです。
対象者
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の対象者は、リスキリング後に雇用主の変更をともなう転職を目指している方です。つまり、サービスへの登録時とキャリア相談の初回面談時に、企業と雇用契約を結んでいる在職者である必要があります。
例えば、正社員以外にも、契約・派遣社員、パートやアルバイトの方も対象になります。対して、企業と雇用契約がない経営者、取締役、役員、業務委託、フリーランスは対象外です。
補助金を受給する条件
補助金を受給するには、上記の対象条件を満たしたうえで、キャリア相談とリスキリング講座を受ける必要があります。それらを満たせば、受講費用の50%相当額（上限40万円）が補助されます。
そして、追加の補助を受けるには、利用した事業者の紹介を経て転職し、1年間就業することが条件です。もしほかの事業者を経て転職したり、転職して1年間継続的に就業していることが確認できなかったりする場合は、受講費用の20%相当額（上限16万円）の補助の対象外となります。
経済産業省がリスキリング事業に取り組む背景
日本では他国と比べて社会学習・自己学習を行っていない人の割合が高く、転職意向のある人の割合が低いことも問題視されています。転職に向けて学び直しや訓練を行う人の割合はわずかであり、特に何もしない人が大半であることも報告されています。
出典：経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について」
このような状況下で、経済産業省はリスキリング事業を開始しました。社会人が先端技術を習得し、需要に応じた資格や知識を身につけることが目的です。そして、先端領域で活躍する人材が増えることで、国民の生産性向上や産業の競争力強化が期待されています。
経済産業省のリスキリング事業を利用するメリット
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を利用するメリットは、以下の3つです。
- 講座費用を抑えて、専門性の高い分野の学習や、資格取得を目指せる
- 無料で転職相談ができる
- キャリアアップを目指せる
それぞれのメリットについて紹介していきます。
講座費用を抑えて、専門性の高い分野の学習や、資格取得を目指せる
経済産業省のリスキリング事業を利用することで、講座費用を抑えて専門性の高い分野を学んだり、それを通じて資格取得を目指せます。なぜなら、最大で受講費用の70％（上限56万円）の給付を受けられるからです。
具体例を挙げると、スキルアップAIの「ディープラーニング基礎」コースは、通常165,000円（税込）かかるところ、実質負担額60,000円（税込）で受講できます。受講することでAIエンジニアを目指すにあたって必要な深層学習に関する基礎知識・スキルが習得でき、最終的にはJDLAが認定するE資格の取得を目指します。
参考：AI・DX領域のリスキリング・キャリアアップ転職支援事業
スキルの向上を図るとなると、それなりに費用がかかるものです。特に専門性の高い内容は、受講費用が高額になります。経済産業省のリスキリング事業を利用することで受講費の負担を大きく軽減できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
無料で転職相談ができる
経済産業省のリスキリング事業では、最初にキャリアコンサルタントなどの専門家と転職相談を行います。これまでのキャリアを棚卸しして、改めてキャリアのゴールを設定し、一人ひとりに適したリスキリング講座を提案してくれるのです。
キャリアに関して専門家に相談できる機会はなかなかありません。この転職相談をきっかけに新たなゴールを設定することで、モチベーション高くリスキリング講座に臨めるはずです。
キャリアアップを目指せる
キャリア相談、リスキリング講座の受講、転職支援という一連のサービスを通して、キャリアアップを目指せることもメリットです。
キャリアアップとは、仕事におけるスキルや知識、経験を向上させて、経歴を高めることです。リスキリング講座を受講して新たな知識やスキルを得ることで、自分自身の市場価値が高まることは間違いありません。そして、キャリア相談や転職支援を通じて、最適な転職先を見つけることで、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。
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転職してキャリアアップする方法については、以下の記事でも詳しく紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
経済産業省のリスキリング事業を活用するときの注意点
経済産業省のリスキリング事業を活用するときの注意点は、次の2つです。
- 転職を目指していないと対象にならない
- 講座を受講した会社を経由せず転職すると、追加の補助金を受け取れない
転職を目指していないと対象にならない
経済産業省のリスキリング事業は、転職を目指していることが条件となっています。そのため、登録時や初回面談時に転職を目指していない方、企業と雇用契約を結んでいない方は、本事業の対象外です。
ただし、転職の有無に限らず、リスキリング講座の受講を修了したタイミングで、受講費用の50%相当の補助金を受け取ることは可能です。
講座を受講した事業者を経由せず転職すると、追加の補助金を受け取れない
受講費用の20%相当の追加の補助金を受け取るためには、キャリア相談と講座を受けた事業者を経由して転職しなければなりません。
もしほかの事業者を経由したり、転職しなかったりすると、追加の補助の対象外となるため、注意するようにしましょう。なお、転職先の企業で1年間継続的に就業することが条件となっています。
経済産業省のリスキリング事業を利用する際の流れ
経済産業省のリスキリング事業を利用する際の一般的な流れは、以下の通りです。
利用する事業者を選定したら、その事業者に申し込みをします。まずはキャリア相談を行い、講座を決定し、一度通常価格でお支払いします。受講が修了したら、受講料の50%がキャッシュバックされる流れです。
その後は再度キャリアカウンセリングを行い、求人の紹介を受けて、転職します。1年間継続して所属したら、追加の20%がキャッシュバックされる仕組みです。
補助金の申請などは事業者がサポートしてくれるため、心配する必要はありません。リスキリングと転職活動に集中できるのも、この事業ならではの特徴です。
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まとめ
この記事では、経済産業省のリスキリング事業である「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」について紹介しました。
本事業を活用することで、キャリア相談・リスキリング講座の受講・転職支援の3つのサービスを受けることができます。リスキリング講座は最大で受講費用の70％（上限56万円）の給付を受けられるため、費用が高い講座も比較的選びやすくなるでしょう。
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