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【入門】機械学習に役立つPythonの学習方法 | できることやおすすめサイトも紹介
第3次AIブームと呼ばれている現在では、AI(人工知能)に関する技術が注目を集めています。このブームの中心となっているのが、機械学習と呼ばれる技術です。そして近年、機械学習を実装する際に用いられる最も人気があるプログラミング言語が「Python」です。
本ブログでは、機械学習の概要とPythonが機械学習の実装に使われる理由を解説します。また、Pythonスキルを身につけたい方に向けて、Pythonの学習手順とおすすめの学習コンテンツについて紹介します。この記事を読めば、自動車の自動運転や顔の自動分類など、AIの最新技術にも使われているPythonについての理解が深まるはずです。
1.機械学習とは
まず、機械学習がどのようなものか紹介します。さらに、機械学習と一緒に語られることが多いAI、ディープラーニング(深層学習)との関係についても解説します。
機械学習とは、人工知能を実現するための技術領域の1つで、コンピュータを使って大量のデータを学習することでパターンやルールを見つけ出し、人間がしている学習にあたる仕組みを実現する技術や手法の総称です。つまり、色々なことを教えなくても勝手に学習する能力をコンピュータに与えることを指します。
データをもとにしたトレーニングを積み重ねたコンピュータは、特定のタスクを高い精度でこなせるようになります。
機械学習は、以下の3つに分類可能です。
- 教師あり学習
- 教師なし学習
- 強化学習
教師あり学習
教師あり学習とは、コンピュータに学習データとして正解を与えて学習させる手法です。正解と不正解が明確な問題を解決する際に利用できます。具体的なタスクの例として、株価予測や翻訳、画像分類などが挙げられます。
教師なし学習
教師なし学習とは、コンピュータに正解を与えずに学習させる手法です。コンピュータは自分で特徴を分析し、類似のデータをグループ分けするクラスタリングなどを実行します。
強化学習
強化学習とは、学習のプロセスもコンピュータ自身が強化していく技術のことです。試行錯誤を通じて、「価値を最大化するような行動」を学習します。学習データを用意しない代わりに行動のよさを評価できる報酬を与え、最もよい報酬を得られるように学習内容を自動的に改善していきます。
AI、機械学習、ディープランニングの関係
AI、機械学習、ディープラーニングの3つはよく同時に語られます。三者は、AIを実現する技術領域の1つとして機械学習があり、機械学習の手法の1つとしてディープラーニングが存在するという関係です。
近年、AIがブームになっているのは、機械学習の手法の1つとしてディープラーニングが登場し、AIのレベルを大きく引き上げたことが要因だといわれています。
2.なぜPythonが機械学習に用いられるのか
機械学習で使われるプログラミング言語には、Java、C++、Cなどの汎用性がある言語のほか、JavaScriptやPython、R、Scala、Julia、Octaveなどがあります。この中で特に多くの人に利用され、人気が高いプログラミング言語が「Python」です。
この項目では、機械学習のプログラムを書く際に、Pythonが用いられている理由を3つ紹介します。
①豊富なライブラリやフレームワークがあり活用しやすい
Pythonは、ライブラリやフレームワークが充実しています。特に機械学習で必要な関数をまとめたライブラリが豊富なため、使えるリソースが増え、開発のコスト削減や効率アップなどにつながります。機械学習でよく用いられるPythonライブラリとして、「Numpy」や「pandas」、「scikit-learn」などが挙げられます。
②多くの企業などで導入実績があり、信頼性が高い
Pythonは、多くの企業で導入実績があります。中でも巨大IT企業として知られるGoogleでは、Pythonをオフィシャル言語のような形で使用しており、Googleが提供するWebアプリケーションにもPythonが使われています。
また、同じく巨大IT企業として知られるAmazonでも、顧客が検索した情報などをもとにレコメンドを表示する機能にPythonが使われています。他にも、私たちにとって身近な以下のようなサービスにもPythonが使われています。
このように、多数の企業に採用されていることから、信頼性が高い言語といえます。
③文法の圧倒的分かりやすさ
コードがシンプルで理解しやすいため、少ないコード量で比較的簡単にプログラミングできます。そもそもPythonは、コードを書きやすく、読みやすくするために開発されたプログラミング言語のため、誰が書いても同じようなコードになるように作られています。
Pythonのプログラミング言語がシンプルなのは、オフサイドルールという規則があるからです。オフサイドルールとは、インデント(字下げ)によって、コードのかたまりをブロックとして明確に指定するルールのことです。ほかの人が書いたコードをスムーズに読めることは、開発の現場において非常に重要なことです。
その他にも、コードの記述量が少ない点や、容易にエラーを発見することができ開発工数を削減できる点などが、人気の理由として挙げられます。
3.機械学習で実現できること
Pythonは、AI(人工知能)開発のプログラミング言語として非常に人気があります。人工知能とは、人間と同じような知能を持つコンピュータのことを指します。AIは、機械学習として特定のタスクをトレーニングすることによって、次のようなことができるようになります。
- 画像認識
- 音声認識
- 自然言語処理
- 異常検知
- 予測
AIは大量のデータを学習し、学習した内容をもとに、目的に応じたさまざまなアウトプットが可能です。
この項目では、機械学習によってできることとして、身近な事例を3つ紹介します。
事例1. 自動車の自動運転
多くの自動車に搭載されるようになった自動運転は、機械学習によって実現できる技術の1つです。
人間が自動車を運転するとき、目や耳から得た情報から周囲の車両や自車の走行について認知し、その情報をもとに進路変更や速度調整などを脳が判断します。この脳の判断が運転手の全身に伝達され、アクセルペダルやブレーキペダルを踏んだり、ハンドルを操作したりします。
自動運転では、運転中に人間がしている「認知」「判断」「制御」のプロセスをコンピュータが代わりに実行し自動化します。搭載された各種センサーが目の役割をして車両や歩行者、標識や白線を検知し、脳の役割をするAIはセンサーから得た情報をもとに判断を下し、車両に制御命令を出します。
事例2. 顔認証
顔認証の精度を上げるために、機械学習が活用されています。身近な例では、スマートフォンのロック画面の解除機能(Face ID)があります。顔認証技術は、目、鼻、口などの位置や、顔領域の位置、大きさなどをもとにデータを照合する仕組みです。
近年の顔認証技術は、オフィスや医療施設、介護施設などの出入り口にも導入され始めています。またセキュリティレベルが高く、非接触で衛生的に認証できるため、入退館管理や受付業務にも使われています。
事例3. 株価や仮想通貨の値動き予想
株式・為替取引にもAIの導入が進んでいます。機械学習は、周期的に一定のパターンを持つデータが今後どのように変化するのか、予想するのに役立ちます。そのため、機械学習は株価や仮想通貨の値動きを予想する際にも利用されることが多いです。
中には日経平均の値動きを高い確率で予想するAIツールなども存在します。AIによる日経平均の予測は、日経平均の特性や過去データ、それぞれの指標の相関度を計算したデータをもとに、日経平均に及ぼす影響はどれくらいなのかをAIが予測して、日経平均の値動きを予想します。
また、Softbankの人型ロボット「Pepper」は、実際にPythonを用いているサービスの1つです。Pepperの音声などの認識・行動機能開発にはPythonが活用されています。
4.Pythonを身につけるための学習手順
その活用のしやすさや信頼性の高さを理由に、まずPythonからプログラミングの学習を始める人が多いです。コードがシンプルで書きやすいため、比較的学びやすい言語ですが、何から始めればいいのかわからない、ということも少なくないでしょう。
そこでこの項目では、Pythonを身につけるための学習手順を紹介します。
1.学習サイトや無料教材でPythonの基礎学習をする
プログラミング未経験の方がPythonを学習する場合、学習サイトや無料教材を利用するのがおすすめです。学習サイトの中には動画やゲームを使って学ぶ場面もあり、効率的に学習できます。
2.Pythonの練習問題に取り組む
基本的な文法を理解した後は、WebサイトやPython演習問題100問パックなどを活用し、練習問題にチャレンジしてみましょう。インプットするだけでは学習したことが身につきにくいです。プログラミングは実践しないと習得が難しいので、インプットしたら必ずアウトプットを行いましょう。
3.Python学習を継続しつつ、応用分野を学ぶ
ある程度Pythonの基礎を習得できたら、基礎学習を継続しつつ、Pythonの応用分野に挑戦してみましょう。中級レベルの文法の学習や自分が興味を持つ応用分野の学習に進むのがおすすめです。
例えば、以下はPythonを初めて学ぶ方も取り組みやすいジャンルです。
- Webの情報を自動的に取得するスクレイピング
- ExcelファイルをPythonで操作する業務効率化
- データと機械学習を使って課題解決するデータサイエンス
5.Pythonを学習するのに最適なコンテンツ
この項目では、Pythonを学習するのに最適なコンテンツをピックアップして紹介します。
学習サイト
学習サイトの中には、基礎レベルのレッスンを無料公開しているものもあります。自分の学習スタイルに合っているかどうか無料レッスンを受講して見極めるといいでしょう。
ドットインストール
「ドットインストール」 (参照 2022-7-3)
ドットインストールは、3分動画で学習できるスタイルの学習サイトです。動画1本が3分なので、スキマ時間を活用して無理なく学べるのが魅力です。ドットインストールには無料コースと有料の「プレミアムコース」があり、プレミアムサービスの登録料は月額1,080円(税込・2022年6月現在)です。
Pythonに関するレッスンは、初学者向けのものから独自のデータ型を作れるクラスまで用意があり、「はじめてのPython(全9回)」は2回目まで、「紹介Python基礎文法編(全29回)」は5回目まで、無料公開しています。
Progate
「Progate」 (参照 2022-7-3)
Progateは、実際に手を動かしてPythonをコーディングしながら学習していくサイトです。2022年6月時点でユーザ数はおよそ2,600,000人おり、100以上の国にプログラムを提供しています。初歩的なレッスンの一部は無料プランで受けられますが、公開しているすべてのレッスンを受講するには有料の「プラスプラン」に登録する必要があります。プラスプランの料金は、月額1,078円(税込・2022年6月現在)です。
Progateが公開しているPythonのレッスンには1〜5までのコースがあり、ゲームを作ったりシステムを作ったりしながら関数やモジュールなどPythonのスキルを実践的に学んでいきます。プログラミングの初学者でも、段階的にステップアップしていけます。
Udemy
「Udemy」 (参照 2022-7-3)
Udemyは、ビジネスやIT、デザイン、自己啓発などについての動画コンテンツを販売するオンライン学習サイトです。講座数は100,000以上あり、キャンペーン中は1,000円台から買える教材が多いです。書籍を購入するのとさほど変わらない価格で動画講座を受講できます。コースはすべて買い切り型のため、一度購入すれば何度でも繰り返し視聴できます。
Pythonに関連したコースには、初学者向けから応用的な内容に対応したものまで、数多くの講座があります。自分のレベルや学びたいことに合った講座を選んでスキルアップしていけます。
無料で学べる教材・講座
Pythonをこれから学ぶ初心者が無料で学ぶのにおすすめの教材や講座を3つ紹介します。いずれもPythonの基礎力を身につけるのに最適なコンテンツです。Pythonの実技力を身につけたい方にもおすすめです。
東京大学「Pythonプログラミング入門」
「Pythonプログラミング入門」は、東京大学が無料公開している教材です。Pythonの基本文法から、データの読み込み、機械学習の実装、データの可視化まで幅広い内容を学べます。
多くの練習問題が用意されているのが特徴で、自分の理解度を確認しながら進められます。教材は、PDF版のほか、HTML版や Colab版、Jupyter版も提供されています。Colab版では、Google Colaboratoryという無償の実行環境を使ってPythonコードを実行できます。
京都大学「プログラミング演習 Python 2021」
「プログラミング演習 Python 2021」は、京都大学の全学共通科目として実施されるプログラミング演習の教科書として作成された教材で、全308ページが無料公開されています。プログラミングの初学者を対象にしており、Pythonを使ったプログラミングを演習方式で学べます。
Pythonを使って実際にプログラムを書けるようになることを目的としており、Pythonの基本操作の習得からPythonを使って簡単なプログラムを設計、実装、テストできるところまで学習可能です。教材は図版が豊富で見やすく初学者でも理解しやすいのが特徴です。
スキルアップAI株式会社「機械学習のためのPython入門講座」
最後に紹介するのは、スキルアップAIが提供する「機械学習のためのPython入門講座」です。
Pythonでのプログラミング未経験から、scikit-learnを使って機械学習モデルを構築できるスキルを身につけることを目標にしています。前提知識は不要なため、初学者でも段階的に学べます。Pythonプログラミング未経験からE資格を目指したい方、Pythonの実技力を身につけたい方、機械学習ライブラリの使い方を理解したい方におすすめの講座です。
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6.まとめ
AIや機械学習に関する技術は、ハイスピードで進化し続けています。ビジネスの現場では、機械学習を実装できる人材やデータサイエンティストのニーズが高まっています。そのため、機械学習やPythonをはじめとしたプログラミング言語を学ぶことがステップアップやキャリアチェンジにもつながるでしょう。
これからPythonを学んで機械学習を実装したいと考えている方は、ぜひ本記事で紹介した勉強コンテンツを活用してみてください。
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