スキルアップAI ロゴ

Success Stories導入事例

全社横断的なDX推進に向け、「IT・デジタルを用いて事業課題を解決できる人材」を育てる取り組み

ライオン株式会社

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

製造業
ライオン株式会社
500〜5,000名未満 / エンジニア / データサイエンティスト / 営業 / データ分析
ハミガキ、ハブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品、クッキング用品、薬品等の製造販売、海外現地会社への輸出
公開日:  更新日:
ライオン株式会社

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

自部門の課題による問題解決データ分析ワークによりデジタルで事業課題を解決できる人材を育成

研修前の課題・背景

IT・デジタル分野にも精通する「ハイブリッド人材」の育成

部門間でのデータ活用・データ分析に対する温度感や習熟度のバラつき

研修後の効果

自部門の課題を研修で取扱い、現場での業務改善に繋がるアウトプットが可能に

データ活用に関する意識変革を促すことができた

研修のポイント

  • 自部門の課題をケースとして問題解決ワークを実践
  • 講師のフィードバック等を通じて課題解決のヒントを習得

デジタル戦略部を中心に、全社横断的なDX推進を目指す

― 2023年1月に新たに「デジタル戦略部」が立ち上がったと伺いました。

吉村様:

はい。以前から部門ごとにデータ活用、データ分析などは行われていましたが、その活用の仕方や程度には差がありました。また各部門間のデータを連携させながら、効率的で最適な事業活動を実現する仕組みが整っていませんでした。そこで、デジタル技術を活用し、ライオングループ全体の事業活動の変革を先導するため、2021年にDX推進部が立ち上がりました。もともと研究開発部門でデータサイエンスに取り組んでいたメンバーと、当時の情報システム系部門のメンバーで構成された小規模な組織でした。

その後、複数部所に分散していた、IT・デジタル関連の戦略立案機能、システム開発・保守・運用やデータ分析などを含む施策実行機能とシステムを用いた業務改革の機能を集約し、2023年1月に「デジタル戦略部」という組織が立ち上がりました。

― デジタル戦略部が目指すゴールや中長期的な目標は?

吉村様:

2030年に向けて、当社は「スピードと効率を備え、高度化・新価値の創出を実現できている」状態を目指し、データドリブン経営への変革を推し進めます。当社のパーパスである「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する」を起点とした経営をより一層強化するため、ライオングループ全体のデジタル戦略を牽引することが、デジタル戦略部の役割です。

― 2030年の大きな事業展開に向けて、具体的にどのような取り組みを実施しているのでしょうか?

吉村様:

大きく3つあります。

1つ目が、経営管理能力の高度化です。データに基づくスピード感のある意思決定の実現を目的に、昨年度新基幹システムが稼働しました。今はその新基幹システム活用を促進し、サイロ化していた情報を連携、かつリアルタイムに連携させることで、特にサプライチェーンマネジメントの改革においては、より速く的確な商品供給をしながら、業務効率化も進め、生産性向上を目指しています。

2つ目が、新価値創造へのチャレンジです。さまざまな市場ニーズをとらえながら、ライオン独自の事業知見を活かし、新たな事業テーマを模索していく。そのためにもデータの活用や先進技術の取り込みが必要不可欠で、その点においてデジタル戦略部が全社をリードしています。

3つ目が、組織風土の変革です。まさに今回の研修で取り組んでいるところでもありますが、当社ではDXを牽引できる人材の育成が喫緊の課題となっています。特に事業部門に所属しながらITやデジタルの知識を持ち合わせたハイブリッド人材を、各組織で増やしていくことが目標です。

渡辺様:

外部のリソースに頼る場合、事業、システム双方のドメイン知識のすり合わせだけで多くの工数が発生します。そのため、各事業部門内にも一定のITやデジタルに関する知識を持ち、事業とデジタルをつなぎ最適な課題解決策を企画・推進できる人材を育成するという動きは、とても大きな効果が見込めると考えています。

― 各部門でIT・デジタル人材やデジタル戦略部と連携できる人材を増やしていくことで、一定程度各部門内で内製化する方法にシフトしているのですね。

吉村様:

そうですね。もちろん高度な技術や専門知識が必要とされる場面ではデジタル戦略部がフォローしつつも、初歩的なレベルの課題に対しては、現場で解決できるようにしていくことが目標です。

現場における事業課題の解決を担うハイブリッド人材の育成

― IT・デジタル人材育成に関して、現在はどのような教育体系を構築していますか?

吉村様:

当社では、業務上必要とされるIT・デジタルに関する専門性の高さによって、3つの人材に分け、それぞれに応じた教育を行っています。

IT・デジタルの専門性が高い順に、「IT・デジタル人材」「ハイブリッド人材」「ビジネス人材」という3つの人材です。「IT・デジタル人材」はIT・デジタル活用の専門家。「ハイブリッド人材」は事業部門にいながらIT・デジタルに関する知識、技術を活用する人材。「ビジネス人材」は事業部門の人材という分類です。

また、IT・デジタルの知識、技術の習熟度レベルも独自の基準を定義し、「インターン」「ジュニア」「ミドル」「シニア」の4段階で表しています。

― 今回当社にご依頼いただいたのは、ハイブリッド人材育成のための「インターン」レベルの研修でした。研修の対象者はどのように決めたのですか?

渡辺様:

当社では、2024年までに育成する人材の目標数値を掲げています。

その上で、対象組織については、積極的にIT・デジタルに関する知見を装着したいという意欲がある部門を優先し、それ以外では事業課題に紐づくDXのテーマが部門内で明確になっている部門も含めました。

また本研修のゴールは、全員がコードを書けるような状態は目指しておらず、IT・デジタルの知見を用いて事業課題の解決プロセスを推進できることです。そうしたゴールイメージを共有したうえで、各部門でメンバーを選定してもらいました。結果的に若手メンバーの参加が多かったですね。

― ライオン様では「データリテラシー講座」「問題解決のためのデータ分析講座」「データサイエンティスト基礎講座」という3つの研修を組み合わせ、継続的に研修を実施いただいています。受講者からはこれまでにどのような反応がありましたか?

渡辺様:

「有意義で勉強になった」「実務に落とし込み、活用できている」といったプラスの評価がほとんどです。実務活用については、問題解決のワークの際に、自部門の課題をケースとして扱った受講者が多かったのですが、まさに研修を通じて解決に向けたヒントを得ることができ、現場で実践できているという声をいただいています。

これから研修を受けるメンバーも多数控えていますので、引き続き講師の方と連携させていただきながら、受講者が現場で実践に移せる仕組みを継続して用意していきたいです。

あわせて読まれている事例

この事例で導入された講座

導入事例の詳細をもっと知りたい、
DX人材育成について相談したい方は
お問い合わせはこちら

他の事例を探す