Success Stories導入事例
DX推進とAIサービス開発のためのAIプロジェクトマネジメント研修を実施
- 研修前の課題・背景
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AIプロジェクトの具体化が進まない
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各部署のプロジェクトマネージャーにAIプロジェクトのマネジメントスキルが不足
- 研修後の効果
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受講者を中心に各部署からAI活用企画への相談があがってくるようになった
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AIを用いたビジネスの企画が明確になり自分にできそうだと感じられるようになった
研修のポイント
- オンラインでの事前学習で基礎知識を獲得
- グループワークを通じ、AI開発の企画立案からPoC、AIモデル構築までの一連の流れを体系的に学習
- AI開発のケーススタディを通じて、AIのビジネス企画創出やプロジェクトマネジメントスキルを習得
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対象者
事業部門各部署のプロジェクトマネージャー
- 研修内容
DX推進の取り組みにともない社内の人材育成にも注力
― まずはお2人の業務内容を簡単に教えてください。
吉野様:
私たちの部署はOSS各事業のデータを活用することで、業務の効率化や新しいビジネスの創出に努めています。現在は所属するデータサイエンティストと各事業部門のプロジェクトマネジャーの方々が一緒に事業を進めています。
冨來様:
私はエネルギーソリューション事業のサービス開発担当として、新規サービスの企画や設計を行っています。当社は太陽光発電のパワーコンディショナーや蓄電システムに強みを持っており、最近ではEVの充放電器であるV2Xもリリースしました。昨今は全社的にモノ売りだけでなく“コト売り”も目指していく流れのなかで、世の中に価値を提供できるサービスの開発に尽力しています。
― 御社内でDXやデータ活用に関する動きが活発になったのはいつごろでしょうか?
吉野様:
2017年ごろだと思います。まさに世の中全体の流れに合わせて、当社内でもデータ活用への取り組みが進められるようになりました。また、現在の長期経営計画においても、オムロングループ全体でDXを推進するというトップメッセージが掲げられています。
そのようななかで、2022年度からDX関連の人材育成にも注力するようになりました。各部門のメンバーを対象に「データリテラシー向上」を目的とした研修を開始し、初年度は200〜300名の社員に受講してもらいました。データリテラシー向上研修のコンテンツはすべて社内で内製し、基礎的な部分は一通り網羅しています。
研修の目的はハブとなるプロジェクトマネジャーを作ること
― 今回、スキルアップAIの「AIジェネラリスト基礎講座」および「AIプロジェクトプランニング推進基礎講座」を受講いただきましたが、その背景を教えてください。
吉野様:
これまで私たちの部署では、事業部門に対してのプレゼンスを向上する取り組みを行い、昨今では事業部門からデータに対しての相談が入ってくる状態になりました。一方で、その相談の内容は、「事業部門で持っているデータからなにかできないか、なにかわからないか」といった抽象的なものが多く、なかなか私たちが求めているAIプロジェクトに発展するに至らない状態に留まっています。今回AI関連の研修を導入したのは、各部署のプロジェクトマネジャーたちと連携していくうえで、AIプロジェクトをマネジメントできるようなスキルを身に付けてほしいとの思いが背景にありました。
データリテラシー向上研修については、技術者たちの経験やノウハウをもとに社内でコンテンツを作ることができました。一方で、プロジェクトマネジメントの分野に関しては社内で確立された知識体系がなく、外部に委託することに決めました。
― 実際に研修を受講いただき、どのような感想を持ちましたか?
冨來様:
データサイエンスに関しては、これまで実務で触れることがあまりなかったため、オンラインでの事前学習を通じて基礎的な情報や知識を学べたことが面白かったですね。AI関連の学習はとても難しいものなのではないかと思っていたのですが、意外とシンプルであることに驚きました。同時に、自分たちがAIのロジックを作るというよりも、使えるようにすることが大事だと気づきました。
吉野様:
私は研修企画者の立場でしたが、研修に対してポジティブに臨むメンバーが多かった印象です。また、今回の研修の目的は「ハブとなるプロジェクトマネジャーを作ること」でしたが、実際に研修を受講したメンバーを中心に、私たちの部署に相談が来ることも増えました。
ただし、受講者のバックグラウンドや知識などのスタート地点がバラバラだったため、もう少し細分化したりフォローしたりする必要があったのではないかという反省点もありました。今後も私たち技術担当サイドから発信しながら実績づくりを進めつつ、社内に広げるためのボトムアップの活動をどんどん推進していく必要性があると感じています。
研修での学びを今後のサービス開発に活かしたい
― 今後の事業においてどのようにAIやDXと関わっていくか、具体的な展望を教えてください。
吉野様:
当社の強みである「エネルギー領域」および、「マネジメント&サービス領域(保守サービス領域)」を今後も強化していきたいという思いがあります。そのなかで、さらにAIを有効活用できるような動きを進めていく予定です。
また、人材育成の観点においては、今後研修を体系化していくなかで、どの職種のメンバーにどんな教育を行うかということを整理していく必要があります。たとえば、営業系のメンバーには、基本的なDX知識を付与しリテラシーの向上を図ること。そして、冨來さんのようにエンジニア寄りの企画・プロマネ系の方には、我々データサイエンティストと一緒にビジネスを企画してもらえる能力を身に付けてもらうこと。さらに、エンジニアや研究部門のメンバーがデータサイエンティストとしてのレベルを上げるために、E資格の取得を促すことなどです。
冨來様:
エネルギー領域では、現在業界全体で発電予測や需要予測などにおけるAIの導入が進んでいます。当社でもAI関連の取り組みが今後さらに加速するだろうと考えられるなかで、私自身もAIを使って何かを生み出したいという思いを持っています。
私たちの仕事はAIの専門家になることではなく、AIを使う側になることです。そのような意味で、今回の研修はAIを用いてどうビジネスを企画していくかという点が参考になりましたし、“自分にもできそうだ”と感じられたことが大きな収穫でした。今後の実務においても、ぜひそれらの学びや気づきを活かしていきたいと考えています。
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