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Success Stories導入事例

現場で意思決定に貢献できる人材の育成を目的に継続的な教育プログラムで実践力を高める

大塚ホールディングス株式会社
製造業
大塚ホールディングス株式会社
500名未満 / エンジニア / データサイエンティスト / 営業 / 新卒 / 管理職 / データ分析 / 機械学習
大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品工業をはじめとする「大塚グループ」の持株会社。
公開日:  更新日:
大塚ホールディングス株式会社

基礎編・実践編の2段階で、意思決定に貢献できるデータサイエンティストの育成研修を実施

研修前の課題・背景

事業部門で意思決定に貢献できる人材の育成

各事業会社横断のDX推進に関する取り組み不足

研修後の効果

スキルがベースアップされ、事業会社を超えた受講者同士のつながりが強化

実務に沿った課題やアウトプットの実施で、活用イメージが湧き、現場での実践に貢献

研修のポイント

  • 基礎編の研修終了後に、実践フェーズの受講者をテストスコアベースに選抜
  • ライブ配信で課題発表・講師から直接フィードバックを行い受講者のモチベーションを向上
  • グループ会社のデータを活用したサンプルデータによる、実務の課題に近いグループワークの実施でより理解が深まる

IT企画部の役割は、各事業会社でDXに取り組む人材の基礎を作り、つなげること

― まずは御社がDX推進に注力するに至った背景を教えてください。

佐野様:

そもそも、大塚グループの根幹には、「流汗悟道」「実証」「創造性」という3つの要素があります。当社には複数の事業会社があり、各社が権限をもって創造性を発揮することが求められています。例えで言うと、ERPやコミュニケーション基盤などはグループ全体で共通のものを使いつつ、データサイエンスの基盤やツールは各社の状況に合わせ、創造性を発揮しながら選択・運用していくといったイメージです。

デジタル人材の育成に関しても、これまでは事業会社が主導で実施してきました。一方でIT企画部が各事業会社にヒアリングすると、データ利活用で活躍するデータサイエンティストの育成は現場で行うには難しさもあったようで、ホールディングス主導で実施してほしいという意見がありました。

中期経営計画でも、会社としてAIを活用した研究開発や業務効率化を目指す方針が示されていて、そうした意味でも全社横断的なデジタル人材育成の取り組みが必要不可欠だと考えるに至りました。

三上様:

IT企画部において、2018年にデジタル化推進のミッションをもった現在のチームが立ち上がっています。私たちデジタル化推進チームの役割は、各事業会社で自主的にDXに取り組んでいる人たちを、エンカレッジメントしたり、つなげたりすることだと思っています。

― IT企画部主導でDX関連の研修を実施するにあたり、研修のゴールはどこに定めたのでしょうか?

三上様:

今回の研修の目的は、「事業部門で意思決定に貢献できる人材の育成」です。通常のIT関連の研修の場合、グループワークの際に「コーディングをしましょう」といった課題に取り組むことが多いと思いますが、今回はコーディングについては重視しませんでした。むしろプログラムは既に存在する前提で、出てきた指標を用いてどうビジネス施策につなげるかという点に重きを置いています。

テストスコアを用いて実践編に進む受講者をスクリーニング

― 今回の研修は、基礎編と実践編とに分けて実施しています。まずは1回あたり100名を対象に、基礎編として「問題解決のためのデータ分析基礎講座」と「データサイエンティスト基礎講座」を受講いただいています。基礎編の受講者はどのように決めているのですか?

三上様:

基礎編に関しては、完全に挙手制で、早い者勝ちで募集を行っています。募集の際、100名で応募をかけたところ、すぐに埋まってしまいました。事業会社ごとにある程度の枠を設けていたのですが、社員数が多い会社の場合、ものの1日で満席になってしまい、その後何とか受けられないかとの問い合わせがくることもありました。DXに対する関心の高さが伺えましたね。

― その後100名のなかから30名を選抜し、実践編として「統計DS基礎講座」「Python入門講座」「Pythonデータ分析手法講座」そして自社データを活用したオリジナルのライブ講義「データ分析実践講座」を受講いただいています。メンバーの選抜はどのように行ったのでしょうか?

三上様:

基礎編の研修終了後に、実践フェーズ受講希望者を募り、テストスコアをベースに選抜を行っています。そもそも選抜を行う理由は、やる気、スキル、業務上の必要性という3つのバランスが取れた人に受講してほしいとの考えがあるからです。

佐野様:

ここもまさに「流汗悟道」「実証」「創造性」という考え方に由来するのですが、1つ目が「流汗悟道」、すなわち自分のやる気をテストの結果という形で示すこと。会社が意図的にメンバーを選抜することもできますが、トップダウンで指名しても効果が低いだろうと考えています。

2つ目が、「実証」に基づくテストの有効性です。テストを行ううえでは、定量的にも定性的にもスクリーニングに足るものでなければなりません。私自身も御社の章末テストを受けてみて、品質が満足できるものだと「実証」できたので、取り入れてみることにしました。

アウトプットの機会を増やすことで、現場で実践しやすい仕組みを創出

― 研修の受講者からはどのような反応がありましたか?

三上様:

全体としては「実際に手を動かしてみることで、理解が深まった」という意見が大半を占めています。
「Pythonデータ分析手法講座」では、「ライブ配信で課題発表」を行うアウトプットの場を複数回設けました。自身の取り組みに対して講師から直接フィードバックを受けられることも、受講者のモチベーションにつながったのではないでしょうか。

受講者からは「受講前よりも違った観点でデータを分析することが出来るようになった」「データ前処理等、データ解析する上で足りていない部分を指摘頂けて良かった」などの声をいただいております。

また、データ分析実践講座は施策立案に重きを置いて、次のアクションにフォーカスした実践的な講座にするため、グループ会社のデータを活用し、「自社製品の販売数予測」に関するグループワークを取り入れました。ワークが実務上の課題に近く、受講者同士のディスカッションや発表が盛り上がっていました。

受講者からは「実践的なテーマで議論することにより理解が深まりました。」「他の方と意見交換しながらデータを見ることで自分では思いつかなかった知見を得ることができました」という声がありました。

こうしたトレーニングを通じて、たとえば現場でDataRobotを使ったり、AWSの結果を見たりしたときに、その活かし方を考えられるようになるのではと思います。

― 実際に、各現場で研修での学びを活用しているという声は挙がっていますか?

三上様:

はい。たとえば普段マーケティングにかかわっている方からは、「ABC分析やアソシエーション分析の知識も役に立っている」といった意見がありました。

また、研究所の方からは「研修で学んだランダムフォレストなどの手法を現場で実践してみたが、その次の精度の上げ方や、出てきた結果をどうアクションにつなげればよいかを教えてほしい」という相談をいただいて、伴走したこともあります。

佐野様:

研修後の実践と言う観点では、現場に戻った後にも研修で学習したことをアウトプットできる基盤が用意できたことも良かったと思います。たとえば今回、実践編の研修受講者には全員Anacondaをインストールしてもらっているのですが、研修後も継続して利用できる環境が整っているため、復習や実践に役立っています。

― 大塚グループ全体で、DXに関してどのような将来像を描いていますか?

三上様:

各事業会社がより「創造性」を発揮できる環境にするためにも、事業会社同士がつながれる仕組みづくりが必要不可欠です。その第一歩として、今回の研修受講者同士のつながりを強化していくことが大切だと考えています。研修終了後に活用事例の共有などを行っていきたいです。

引き続きホールディングスが主体となってDX人材育成に関する取り組みを推進しながら、各事業会社が自主的に最適解を見つけられるためのサポートをしていきたいですね。

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