Success Stories導入事例
データサイエンス領域の人財育成強化のため、データサイエンティスト検定取得プログラムを実施
- 研修前の課題・背景
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データサイエンス領域をターゲットとしたDX人財の育成を強化したい
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体制変更や事業ポートフォリオの変革の実現に、DX人財の確保や育成が重要
- 研修後の効果
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売上や原価データの分析などの実務に活かせる知識を習得
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データサイエンスへの基本的なリテラシーが強化され、実務への活用イメージを浸透
研修のポイント
- 業務の隙間時間も活用して、PCやスマホで学習
- 模試を活用し、自身の苦手ポイントを効果的に把握
- 初心者でも理解しやすいように重要なポイントを分かりやすく解説
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対象者
希望した社員約370名
- 研修内容
新体制設立に伴いDX人財の育成が急務に
― まずは御社における、DX人財育成に関するビジョンやその背景について教えてください。
村田様:
2023年10月より、当社は凸版印刷株式会社から「TOPPANホールディングス株式会社」へと社名を変更し新体制となりました。
その背景として、当社グループの事業の変化により、雑誌や書籍をはじめとするペーパーメディアへの印刷からDX関連ビジネスに大きくシフトしていることをふまえ、「凸版印刷」から「TOPPAN」と名を変更してさらなる成長を目指す意味が込められています。
中期経営計画の基本方針に“Digital & Sustainable Transformation”という言葉を掲げています。すなわち、デジタル領域に一層力を入れていくことが全社的な経営課題であり、今後の事業ポートフォリオの変革においても重要なミッションだと位置づけています。そこで大切なのが、そのようなミッションを実現するための人財の整備です。外部人材の獲得も並行して行っておりますが、既存社員一人ひとりのリスキリングを進め、成長領域の人財強化を実現していくことが急務となっています。
― 全社に広がるデジタル化の動きに対して、社員のみなさんの反応はいかがでしたか?
村田様:
予想以上に多くの社員からの受講申し込みがあり、ポジティブな反応でした。以前から当社には「新領域にも積極的にチャレンジしていこう」という風土があり、主体的に考え行動する社員が多いと感じています。これまでも常に新たなソリューションを模索しながらお客様に提供する「創注型ビジネス」を大切にしてきました。したがってデジタル分野に関しても、“自らリテラシーを高めていかなければならない”という思いが全社的に浸透していると感じます。私たちもそのような社風を大切に、社員一人ひとりに前向きにチャレンジしてもらえるようなサポートを心がけています。
自ら受講意志を表明する社員が多く、現場の意識の高さを実感
― 今回「DS検定」の受検を目指し、約370名の社員のみなさんに当社の「データサイエンティスト基礎講座」を受講いただきました。受講対象者はどのように決めたのですか?
村田様:
全ての社員を対象に、手挙げ制で、希望した社員全員が講座を受けることができる仕組みで行いました。「社員の主体性を尊重し、意欲を持った社員に質の高いプログラムを提供すること」が当社の人財開発トレーニングポリシーであり、各自のやる気をしっかりと吸い上げて成長機会とすることを重視しています。
山田様:
当初の予想以上に、デジタル系以外の部門からの希望者も多かったですね。デジタル領域の知識やスキルを習得することに対する現場の意識の高さや、ポジティブさを感じ取ることができました。役職や年次も幅広く、入社2年目の社員から執行役員クラスの社員まで、自発的に希望されたことに驚きました。
― どのような流れで受講を進めていただいたのでしょうか?
山田様:
すべてオンラインの講座ですので、業務の隙間時間など、各自のペースに合わせて、PCやスマホを使って勉強してもらいました。特に数理統計の項目などは難しかったという印象を持つ社員もいたようですが、学習を進めるうちに全体像が把握できるようになり、分析方法を理解できてきたようです。
また今回模試も活用させていただいたのですが、各自が自身の習得状況を把握するうえでとても効果的だったように思います。実際に模試を受けた社員からも、「解説を見たい」「間違えた問題の解法を知りたい」といった声が挙がってきて、前向きに取り組んでもらえていることが分かりました。
村田様:
ちなみに全社的な導入の前に、私自身も御社の講座を受講させていただきました。受講を通じて、データサイエンス領域を幅広く学ぶことができ、新たな視点で自身の業務を分析し改善することができたと実感しました。また、無事合格することもできましたので、今回採用させていただくことに決めました。
― 「データサイエンティスト基礎講座」やDS検定受検後、社員のみなさんからはどのような感想がありましたか?
山田様:
「統計分析など、実務に活かせる知識を身に付けられた点で学びが多かった」との声を多くいただいています。例えば、生産技術系の社員などは、データをもとに設計を行うシーンがあるため、業務に活かしやすいという実感があるようです。また、デジタル系以外の部門の社員からも「売上や原価データの分析に活かせそうだ」という意見があがってきています。
その他にも、受講者からは「初心者でも理解しやすいように重要なポイントを分かりやすく説明されていた」「データ分析の考え方は営業活動の仮説立てに活かせそう」などの声をいただいております。
社員一人ひとりの「挑戦」を後押ししていきたい
― 今後の計画や目標について教えてください。
山田様:
まずはDS検定の合格者を増やしていくことが目標です。今回は、仮に不合格となった場合でも意欲のある受講者には再チャレンジできる制度を設けていますので、引き続き資格の取得に向けてフォローをしていきたいです。
ただ、検定の合格はあくまでも通過点です。資格取得は1つの目標ではありますが、最終的なゴールは中期経営計画にも示されているように、社員一人ひとりにデジタルの知見とスキルを身に着けてもらい、実際のビジネスに活かしてもらうことです。講座での学びを自身の成長につなげて、会社の成長に寄与いただけるような人財の育成を進めていきたいですね。
村田様:
当社ではデジタル系の教育を体系立てて実施していますが、今回DS検定資格への全社的な挑戦を決断したのも、過去の成功事例があったからです。たとえば、AWS認定プログラムの資格取得研修がその1つです。既に2,000名以上の社員が資格を取得しておりますが、組織や風土においての「相乗効果」の大きさを感じました。つまり身近なメンバーが資格を取得すると、周りのメンバーも頑張らなければという気持ちになる。今回のDS検定もそうですが、「組織全体で価値を高めていく」大きな動きを継続していけたら嬉しいですね。
また再チャレンジする機会の提供も含め、私たちは挑戦することが新しい価値創造の必要条件だと考えています。今後も人財開発センターとして、各自の挑戦そして成長を後押しすべく邁進してまいります。
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